『俺だけレベルアップな件』展が11月1日まで会期延長! 学生・子ども料金は500円引きに、“声で影の軍団を呼ぶ”体験型マンガ展が人を呼んでいる

渋谷のダンジョンは、まだ閉じません。東急プラザ渋谷4階で開催中の体験型展覧会『俺だけレベルアップな件』展 東京会場が、好評を受けて会期を延長することが決まりました。当初は2026年9月27日までの予定でしたが、9月28日から11月1日まで、35日間の延長開催が行われます。

しかも延長期間中は、学生・子ども料金の引き下げやグループチケットの新設など、来場のハードルを下げる施策がまとめて投入されます。延長分のチケットは9月19日から楽天チケット、チケットぴあ、ローソンチケットなど主要プレイガイドで発売中です。

「もう一度訪れたい」という声が延長を後押ししたそうですが、原画展でもグッズ販売会でもない展覧会が、なぜここまで人を呼ぶのでしょうか。鍵は「体験型」という中身にあります。この記事では延長で変わる点を整理したうえで、マンガを“体験する”場所がこの10年あまりでどう進化してきたかを振り返ります。

目次

全世界143億ビュー。そもそも『俺だけレベルアップな件』とは

『俺だけレベルアップな件』は、韓国でWeb小説として生まれ、ウェブトゥーン(縦読みマンガ)になって世界へ広がった作品です。全世界累計143億ビュー、11か国のウェブトゥーンプラットフォームで1位を記録した、Kコンテンツを代表するIPと言っていいでしょう。

物語の主人公は、最弱のE級ハンター・水篠旬。彼だけに与えられた「レベルアップ」の力で、独り、世界最強への階段を上っていきます。弱かった主人公がひたすら強くなっていく爽快感は国境を越えて刺さり、TVアニメはクランチロール・アニメアワード2025でアニメ・オブ・ザ・イヤーを受賞。2026年7月には劇場版の制作決定も発表されました。

延長で何が変わる? 会期・料金・特典の変更点

今回の延長は、単に期間が延びるだけではありません。まず学生・子ども料金が平日券・土日祝券ともに500円引き下げられます。さらに、大人4名で購入すると3名分の料金で入場できるグループチケットが新設されます(対象は平日券・土日祝券の大人料金のみ、オンライン購入限定)。友達を誘って行くほどお得になる設計です。

特典まわりでは、スーパーパス購入者向けにこれまでのアクリルチケットに加えてマグネット2種セットが追加されます。東京会場限定商品を含む40種類以上のグッズを扱うショップでは、延長期間中も新規グッズが順次発売される予定です。

展示そのものの見どころも改めて紹介しておきます。約400坪の会場には原作の名場面が原寸大で再現され、大型造形物に照明・音響・大型映像を重ねた空間を歩きながら、旬がE級からS級へ成長していく軌跡を追体験できます。「起きろ」と声をあげて影の軍団を召喚するインタラクティブゾーンや、自分のランクを判定するガチャなど、来場者が物語を進める参加型の仕掛けが随所に配置されていて、日本で初めてウェブトゥーンIPを基盤に構成された体験型展示とされています。観覧の前後に立ち寄れるカフェも併設されており、こちらは展覧会に入場しない人でも利用できます。

会期や料金の詳細は公式サイトで確認できます。

マンガを「体験する」場所は、この10年でここまで来た

原画展が「作品を見る」場所だとすれば、俺レベ展は「作品の中に入る」場所です。実はこうした体験型の施設・展示は、この10年あまりで着実に系譜を積み重ねてきました。順にたどってみましょう。

J-WORLD TOKYO(2013~2019年)ジャンプ作品のテーマパークが池袋に

先駆けは2013年7月に池袋サンシャインシティで開業した「J-WORLD TOKYO」です。『ONE PIECE』『NARUTO』『ドラゴンボール』など週刊少年ジャンプ作品のアトラクションが並ぶ屋内型テーマパークで、マンガの世界に「入って遊ぶ」施設の代表格でした。2019年2月の閉園まで、約5年半にわたり愛されました。

東京ワンピースタワー(2015~2020年)東京タワーに麦わらの一味が住んだ

2015年3月には、東京タワーの中に『ONE PIECE』の大型テーマパーク「東京ワンピースタワー」が開業します。ルフィたち麦わらの一味それぞれをテーマにしたアトラクションやライブショーが展開され、単一作品のテーマパークとして5年以上走り続けました。閉園は2020年7月です。

NARUTO&BORUTO 忍里(2019年~)淡路島の自然の中で忍者の修行体験

現在も続く例では、兵庫県の淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」に2019年4月20日オープンした「NARUTO&BORUTO 忍里」があります。立体迷路「天の巻」とミッションラリー「地の巻」を柱に、公園の大自然を使って再現された忍の世界で、身体と頭脳をフルに使う修行体験ができます。屋外の地形ごと作品世界にしてしまう発想が新しい施設です。

イマーシブ・フォート東京(2024~2026年)完全没入型という挑戦

2024年3月にお台場で開業した「イマーシブ・フォート東京」は、『東京リベンジャーズ』の物語に当事者として巻き込まれるイマーシブ・エスケープや、『【推しの子】』のB小町のライブを体感できるイマーシブ・ラリーなど、「完全没入」を看板にしたテーマパークでした。施設規模が過大だったとして2026年2月28日に閉館しましたが、少人数で物語の当事者になれる体験は高い人気を集め、体験型エンタメの可能性と難しさの両方を示した存在と言えます。

そして2026年、ウェブトゥーン発の俺レベ展が「体験型」の看板を掲げて渋谷に登場し、延長を勝ち取るほどの動員を見せている、というのが現在地です。人気による会期延長はマンガ×リアルイベントの世界でたびたび起きていて、『キングダム』の佐賀空港ジャックや古湯温泉街ジャックも延長された前例があります。関連の動きはこちらの記事でも紹介しています。

「マンガを体験できる場所」のあゆみ(年表)

マンガ・アニメの世界に「入れる」主な施設・展示を時系列で並べます。見るだけの展示から、身体を動かして物語に参加する場へ。流れは一方向です。

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No.年施設・展示特徴
12013年J-WORLD TOKYO(池袋・~2019年)ジャンプ作品の屋内型テーマパーク
22015年東京ワンピースタワー(東京タワー・~2020年)単一作品の大型テーマパーク
32019年NARUTO&BORUTO 忍里(淡路島ニジゲンノモリ)自然の地形を使った屋外体験型アトラクション
42024年イマーシブ・フォート東京(お台場・~2026年2月)東リベ・推しの子などの完全没入型テーマパーク
52026年7月『俺だけレベルアップな件』展(東急プラザ渋谷)日本初のウェブトゥーンIP体験型展示
62026年9月同展の会期延長が決定(11月1日まで)学生・子ども料金値下げ、グループチケット新設

この秋、渋谷でS級ハンターの世界に潜るなら

延長後の会期は11月1日までです。学生・子どもは500円引き、4人で行けば大人は3人分の料金になったので、行きそびれていた人にはむしろ今からが狙い目と言えます。

そして会場で「起きろ」と叫ぶ前に、原作を読み返しておくと没入感がまるで違います。旬が最弱だったころの絶望を知っているほど、原寸大のダンジョンは効きます。予習はぜひお手元で。

“見せる”より“過ごさせる”が人を呼ぶ。施設づくりへの置き換え方

俺レベ展の延長が教えてくれるのは、いまのお客様が求めているのは「情報」ではなく「そこで過ごす時間」だということです。作品の中に入り、声を出し、写真を撮り、カフェでひと息つく。滞在そのものが目的になったとき、人はもう一度来たいと言い始めます。

この発想は、テーマパークでなくても取り入れられます。待合スペースや休憩コーナーにマンガの棚を置けば、お客様の待ち時間は「作品と過ごす時間」に変わり、滞在の満足度が変わります。スマートコミックは法人・店舗向けのコミックレンタルサービスとして、話題作を含む選書から設置・入れ替えまでをまとめてサポートしています。“過ごしたくなる施設”づくりの一手として、ぜひご検討ください。

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