『ガールズバンドクライ』×楽久屋が全国12店舗で開催! 看板の違う温浴施設をひとつのコラボでつなぐ、多店舗同時開催のかたち

アニメ『ガールズバンドクライ』と温浴施設グループ「楽久屋(らくや)」のコラボイベントが、2026年10月26日から11月29日まで全国12店舗で開催されます。東映アニメーションが描き下ろしたのは、浴衣をまとって湯上がりのひとときを楽しむトゲナシトゲアリの5人。入館やサウナ利用でもらえるステッカーに加え、バンドの楽曲を流しながら熱波を浴びる「ミュージックロウリュ」も用意されています。

ただ、開催店舗の名前を並べてみると少し不思議な感じがします。稲城天然温泉 季乃彩、野天風呂 湯の郷、COCOFURO たかの湯、天然温泉 湯舞音 袖ケ浦店。屋号も雰囲気もばらばらな12施設が、同じ期間に同じコラボを開くのです。

温浴施設のアニメコラボは、いまや1店舗だけで完結する企画より、チェーン全体で同時に開くものが目立つようになりました。今回のガルクラ×楽久屋を入口に、多店舗で同時開催されるコラボがどのように組み立てられているのかを、ほかのチェーンの事例と見比べていきます。

目次

湯上がり浴衣のトゲナシトゲアリが12店舗に登場

『ガールズバンドクライ』は東映アニメーションによるオリジナルアニメです。高校を中退して上京した井芹仁菜が、河原木桃香、安和すばる、海老塚智、ルパとバンド「トゲナシトゲアリ」を結成し、壁にぶつかりながら前へ進む物語が描かれます。2024年4月にTV放送が始まるとSNSで話題が広がり、公式サイトによれば第7話から最終話まで7週連続でXのトレンド1位を記録しました。

入館とサウナ、2つのタイミングでステッカーがもらえる

今回のコラボでは、入浴料金を支払うと浴衣姿の描き下ろしイラストを使ったステッカーが1枚もらえます。さらにサウナや岩盤浴の料金を支払った人には、メンバーカラーのサウナハットとポンチョを身に着けた5人のミニキャラステッカーが別に用意されています。施設によって料金体系が異なり、入浴料とは別にサウナ・岩盤浴料金がかかる店舗もあるため、特典はフロントで申し出る形です。

館内ではアクリルフィギュアスタンドや和紙風缶バッジ、ロッカーキー風キーホルダーなど、温浴施設らしいモチーフのグッズも販売されます。「棘」の文字が入ったお守りや、牛乳瓶型のシャカシャカマグネット、スパバッグまで並ぶ品ぞろえです。店舗で関連商品を税込3,000円購入するごとに、全12種からランダムでイラストカードが1枚付きます(通販は対象外)。

「爆ぜて咲く」を聴きながら熱波を浴びる

バンドアニメらしい企画がミュージックロウリュです。期間中はトゲナシトゲアリの「爆ぜて咲く」「空の箱(仁菜/桃香ver.)」「雑踏、僕らの街」を流しながらロウリュが行われます。どの時間帯にどの曲が流れるかは店舗ごとに異なり、各店舗の公式Xで順次案内される予定です。

作品の主役が音楽である以上、グッズや装飾だけでなく「音」を館内に持ち込めるのは大きな違いです。サウナ室の熱気とライブハウスの熱気を重ねる発想は、湯船とキャラクターを組み合わせる従来のコラボとは少し方向が異なります。開催店舗や特典の詳細は、特設サイトで確認できます。

季乃彩もCOCOFUROも湯舞音も、運営はひとつの会社

楽久屋は、東京都港区に本社を置く温浴施設の運営会社です。2005年に設立され、2007年に1号店の稲城天然温泉 季乃彩を開業しました。その後、天然温泉を備えたスーパー銭湯のほか、元は一般公衆浴場だった銭湯をリノベーションした「COCOFURO」シリーズも手がけています。

2024年11月には新昭和グループに加わり、2025年4月には同グループの温浴事業だった「湯舞音」の3店舗(龍ケ崎・袖ケ浦・市原ちはら台)が楽久屋の運営になりました。同じ年の11月には埼玉県羽生市にYUBUNE SAUNA PARKが開業しています。生い立ちの異なる施設が、ここ数年で一気にひとつのグループにまとまったわけです。

6都府県12店舗、店ごとに違う楽しみ方

今回のコラボ会場は東京・千葉・茨城・埼玉・岐阜・大阪の6都府県にまたがります。特設サイトの一覧を見ると、ミュージックロウリュの有無やサウナ・岩盤浴特典の扱いは店舗ごとに違います。のぼり旗も、多くの店は全員分ですが、COCOFURO たかの湯は智とルパ、COCOFURO かが浴場は仁菜・桃香・すばると、2つの銭湯でメンバーを分け合っています。

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No.店舗名所在地ミュージックロウリュサウナ・岩盤浴特典
1天然温泉 湯舞音 龍ケ崎店茨城県龍ケ崎市岩盤浴で実施あり
2YUBUNE SAUNA PARK埼玉県羽生市ありあり
3佐倉天然温泉 澄流千葉県佐倉市ありあり
4野天風呂 湯の郷千葉県野田市なしなし
5南柏天然温泉 すみれ千葉県流山市ありあり
6天然温泉 湯舞音 袖ケ浦店千葉県袖ケ浦市岩盤浴で実施あり
7天然温泉 湯舞音 市原ちはら台店千葉県市原市サウナで実施なし
8稲城天然温泉 季乃彩東京都稲城市ありあり
9COCOFURO たかの湯東京都大田区ありあり
10COCOFURO かが浴場東京都北区ありあり
11湯どころ みのり岐阜県岐南町ありあり
12COCOFURO おおみね湯大阪府大阪市ありあり

※佐倉天然温泉 澄流は10月26日から30日まで休館のため、10月31日からの開催です。内容は中外鉱業コンテンツ部の特設サイト(2026年10月20日時点)をもとに整理しています。

コラボは「グループの名前」を知ってもらう機会にもなる

利用者の多くは、近所の季乃彩や湯の郷を屋号で覚えていても、運営会社の名前までは意識していません。楽久屋はこの1年あまり、グループ横断の企画を続けてきました。2025年には千葉・茨城の6店舗を巡る「ちばらきエリア6店舗温泉スタンプラリー」、2026年9月には羽生店オープンを記念した7店舗スタンプラリー、10月にはラーメン店「なんでんかんでん」との4施設限定コラボメニューを展開しています。

今回のガルクラは、その流れのなかで最も広い12店舗を束ねた企画です。全員分ののぼり旗がある店、2人だけの店、ロウリュの曲が違う店。ファンにとっては「別の店にも行ってみよう」という動機になり、施設にとっては屋号の違う店同士をつなぐ導線になります。

全国で同時に開く温浴コラボ、組み立て方は大きく4つ

アニメ×温浴施設のコラボがなぜ増えているのかという背景は、以前の記事で詳しく取り上げました。ここでは視点を変えて、複数の店舗で同時に開くコラボが、運営のうえでどのように組まれているのかを見ていきます。

同じ看板のチェーンで一斉に開く

いちばんわかりやすいのが、同じブランド名で展開するチェーンが全店に近い規模で一斉に開く型です。代表例は極楽湯・RAKU SPAで、2026年10月22日から11月10日まで、アニメ『銀魂』とのコラボ「極楽湯かぶき町店」をグループ12店舗で開催します。描き下ろしグッズやキャラクターをイメージしたメニュー、坂田銀時の館内放送などをどの店でもそろえられるのは、同じ看板で設備や運営の型が共通しているからこそです。

極楽湯・RAKU SPAはこれまでにも『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『ダンジョン飯』などのコラボを重ねてきました。今回の楽久屋と開催期間が一部重なるため、関東では2つのチェーンのコラボをはしごすることもできます。原作の『銀魂』(空知英秋/集英社)は全77巻で完結しています。

銀魂コラボの中身と、完結から7年たってもコラボが続く理由は、こちらの記事でまとめています。極楽湯・RAKU SPAの過去のコラボ一覧もあわせてどうぞ。

ブランドは共通でも、店ごとに中身を変える

埼玉発の温浴ブランド「おふろcafé」を展開する温泉道場は、同じブランドのなかでも店舗ごとに企画の濃淡をつける形をとっています。2026年1月9日から4月5日まで全13店舗で開いた「リラックマ×おふろcafé」では、フォトスポットは8店舗、オリジナル入浴剤は6店舗というように、実施内容を店ごとに選んでいました。好評を受けて途中でノベルティを追加し、2月にはリラックマの1日店長イベントも開いています。

7月3日から9月30日までは『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション』の公開を記念し、おふろcafé 12店舗と同社の運営施設を合わせた全国16施設でコラボを実施しました。主催側の発表では、おふろcaféのIPコラボとして過去最大規模です。原作マンガ『クレヨンしんちゃん』(臼井儀人/双葉社)は全50巻で、現在は『新クレヨンしんちゃん』が続いています。

この映画が33作目でシリーズ歴代最高の興行収入を記録した話題は、別の記事で取り上げました。

開催日をずらして店舗を巡回する

全店で同時に開くのではなく、開催日を店ごとにずらす型もあります。愛知県春日井市のオークランド観光開発が運営する「竜泉寺の湯」は、2025年11月26日から2026年9月26日まで、キャラクター「アヒル隊長」とのコラボを全国8店舗で順に実施しました。数字の並びから2026年を「風呂の年」と位置づけ、原則として毎月26日の「風呂の日」に1店舗ずつ、撮影会や限定グッズ販売、浴槽にアヒル隊長を浮かべる演出などを行う形です。開催日を1日に絞るぶん、各店の運営体制に合わせて山場をつくりやすい形です。

運営会社の垣根を越えて手を組む

2026年10月には、運営会社の違うチェーン同士が組む例も出てきました。東京建物リゾートの「おふろの王様」と、スパサンフジの「湯楽の里」「喜楽里」が初めて共同で企画した「湯王コラボ」です。10月1日から31日まで東京・神奈川・埼玉の計19店舗で、両ブランドを1店舗ずつ巡るスタンプラリーと、共通の替わり湯を実施しています。

こちらはアニメIPを使わない企画ですが、複数の店舗を巡ってもらう仕掛けとしては楽久屋のスタンプラリーと同じ発想です。キャラクターの力を借りるか、お風呂そのものを主役にするかの違いはあっても、多店舗を持つ事業者ほど「店から店へ」の回遊をどう生むかが共通の課題になっていることがわかります。

楽久屋型は、ちがう屋号を同じ期間でそろえる

こうして並べると、楽久屋の今回の企画は1つめと2つめの中間にあたります。期間は12店舗で同じですが、屋号も建物の成り立ちもばらばらで、ロウリュの有無やのぼり旗のメンバーまで店ごとに違います。共通の看板がないぶん、作品の描き下ろしイラストが12店舗をつなぐ「共通の看板」の役目を果たしているともいえます。

多店舗同時開催の温浴コラボ事例一覧

本文で紹介したコラボを、店舗数と組み立て方で整理しました。

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No.企画運営店舗数期間組み立て方
1ガールズバンドクライ×楽久屋楽久屋12店舗2026年10月26日〜11月29日屋号の違う店舗を同期間でそろえる
2銀魂×極楽湯 RAKU SPA極楽湯12店舗2026年10月22日〜11月10日同じ看板のチェーンで一斉開催
3映画クレヨンしんちゃん×おふろcafé温泉道場ほか16施設2026年7月3日〜9月30日ブランド共通、店ごとに内容を調整
4リラックマ×おふろcafé温泉道場13店舗2026年1月9日〜4月5日ブランド共通、店ごとに内容を調整
5アヒル隊長×竜泉寺の湯オークランド観光開発8店舗2025年11月26日〜2026年9月26日毎月26日に店舗を巡回
6湯王コラボ(湯楽の里・喜楽里×おふろの王様)スパサンフジ/東京建物リゾート19店舗2026年10月1日〜31日運営会社の垣根を越えた共同企画

トゲナシトゲアリの曲で、近くの楽久屋を巡ってみる

ガルクラ×楽久屋のコラボは11月29日まで続きます。入館とサウナ・岩盤浴でステッカーのデザインが違うので、湯船だけで帰らずにサウナまで入っておくのがおすすめです。ミュージックロウリュの時間割は店ごとに公開されるため、好きな曲が流れる回を狙って出かけるのもよいでしょう。

のぼり旗のメンバーが店ごとに違うCOCOFURO たかの湯とかが浴場をはしごしたり、11月10日まで開催の極楽湯の銀魂コラボと組み合わせたりと、秋の休日に温浴施設を巡る理由はいくつもあります。湯上がりの休憩処で、イヤホンからトゲナシトゲアリを流しながらひと息つく時間も、この期間ならではの楽しみ方です。

コラボで初めて来たお客様に、次も選ばれる店になるには

多店舗で同時に開くコラボは、普段は近所の常連が中心の店に、作品目当ての新しい客層を一斉に呼び込みます。ファンは特典やのぼり旗を目当てに、ふだんなら行かない少し遠い店舗にも足を延ばします。施設側にとっては、自分の店を初めて知ってもらう絶好の機会です。

ただ、期間限定のコラボはどうしても終わりがあります。12月になって描き下ろしのパネルが片づいたあと、もう一度来てもらえるかどうかは、湯上がりの時間をどれだけ心地よく過ごせたかにかかっています。入浴と食事のあと、休憩処でゆっくりできる店は滞在時間が延び、次の来館の動機にもつながります。

その受け皿として取り入れやすいのが、休憩スペースのマンガです。今回の開催店舗のひとつ、湯舞音 袖ケ浦店も2026年夏の受け入れ準備として、休憩スペースのコミック1,000冊を入れ替えたと発表しています。ガルクラのようなバンド・音楽ものから、コラボ先の原作マンガ、世代を問わず読まれる名作まで、棚の中身を季節や話題に合わせて変えていけば、コラボのない時期にも「あの店でまた読みたい」という理由が残ります。

屋号ごとに客層が違う多店舗の事業者ほど、店ごとの選書や入れ替えは手間のかかる仕事です。スマートコミックは、施設の客層に合わせた選書から、マンガコーナーの設置、定期的な入れ替えまでをまとめて支援するサービスです。温浴施設での滞在時間の延ばし方や、スーパー銭湯に向いた冊数の目安は、こちらの記事で紹介しています。

導入事例や料金プランは、以下からご覧いただけます。

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