映画『九条の大罪』予告解禁、羊文学の主題歌もドラマから続投! 配信ドラマや連ドラの続きを劇場で描いたマンガ実写化はほかに何がある?

真鍋昌平さん原作の『映画 九条の大罪』の予告映像とポスタービジュアルが、2026年10月28日に公開されました。主題歌はNetflixシリーズに続いて羊文学が担当し、新曲「Dispel」を書き下ろしています。公開は2027年1月8日、全国東宝系です。

今年4月に世界配信されたNetflixシリーズは、衝撃的なラストで幕を閉じました。映画はその続きを描く完全新作です。配信ドラマで物語を走らせ、決着は映画館で見せる。じつはこの「ドラマの続きを劇場で」という形は、ここ数年で配信サービスを巻き込みながら増えてきました。

映画化が発表された7月の記事では、『花より男子』や『ROOKIES』など地上波ドラマから映画へ進んだ王道の作品を振り返りました。今回は視点を変えて、配信ドラマと劇場版を行き来した作品や、連ドラの伏線を劇場で回収した作品を中心に集めています。

目次

『映画 九条の大罪』はNetflixシリーズのラストを継ぐ完全新作

予告映像では、裏社会の住人である京極から「お前らはもうこの世界の住人だ」と告げられる九条の姿や、半グレとヤクザがぶつかる暴力的な場面が映し出されます。味方を失って追い詰められた九条に、かつてのバディ烏丸が「カンモクをしてください。20日でパイにします」と告げる場面も入りました。九条がこれまで依頼人にかけてきた決まり文句を、今度は烏丸が九条に向ける構図です。

7月の映画化発表時、プロデューサーの那須田淳さんは本作を「あの衝撃のラストを継ぐ」完全新作と説明し、初めて『九条』を見る人にも楽しめる構成に挑戦したとコメントしています。主演の柳楽優弥さんも、ドラマで描かれた伏線や疑問に映画で答えが示されると語りました。つまり「Netflixシリーズの続編映画」という理解でおおむね正しく、そのうえで単独でも見られるよう組み立てられた作品と言えます。

キャストは九条役の柳楽優弥さん、烏丸役の松村北斗さん(SixTONES)をはじめ、池田エライザさん、町田啓太さん、音尾琢真さん、ムロツヨシさんらドラマ版の顔ぶれが再集結します。追加キャストでは、黒木華さんが九条の元妻を演じることが発表されました。監督の土井裕泰さん、脚本の根本ノンジさんも続投で、制作はTBSスパークル、配給は東宝です。柳楽さんにとって、主演ドラマが映画化されるのはこれが初めてだそうです。

主題歌を担う羊文学にとって、『九条の大罪』への書き下ろしはドラマ版の「Dogs」に続く2曲目です。柳楽さんは、アップテンポでクールだった「Dogs」に対し、「Dispel」は哀愁があり心に訴えかけてくるサウンドだと感想を寄せています。同じアーティストがドラマと映画の両方を手がけることで、配信で見た人が劇場へ移っても物語の空気がつながる効果もありそうです。

原作は「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で2020年から連載中です。『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平さんが、闇金の次に描いた悪徳弁護士の物語で、コミックスは2026年8月発売の17巻まで刊行されています。公開までにドラマの続きを原作で確かめておきたい方は、全巻セットが便利です。

ドラマから劇場へ物語を渡す、3つのかたち

「ドラマの続きを劇場で描く」といっても、作品によって進め方はかなり違います。いちばん古くからあるのは、連続ドラマで人気を固め、完結編や新章を劇場版として公開する形です。地上波の連ドラ全盛期に定着し、いまも各局で続いています。

ここ数年で目立つのが、配信サービスがからむ形です。劇場版とほぼ同時期に配信ドラマを出して両方を見てもらう「同時展開型」と、映画、配信ドラマ、映画と交互に物語をつなぐ「往復型」があります。『九条の大罪』は配信ドラマで始まり劇場で続きを描くので、連ドラ型の骨格を配信の時代に持ち込んだ作品と見ることができます。ここからは、配信がからむ作品と連ドラ発の作品に分けて紹介します。

配信ドラマと劇場版がつながったマンガ実写化

まずは、配信サービスのドラマが劇場版と地続きになっている作品です。いずれも2023年以降の作品で、この形がまだ新しいことが分かります。

『【推しの子】』(赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社)配信ドラマの翌月に劇場版

2024年11月28日、Amazon Originalドラマ『【推しの子】』がPrime Videoで世界独占配信を始めました。全8話のうち7・8話は12月5日の配信で、そのわずか2週間後の12月20日に映画『【推しの子】-The Final Act-』が東映の配給で公開されています。ドラマで転生の始まりから芸能界での日々を描き、物語のクライマックスは劇場で見せる。配信と劇場を1か月のうちに連続させた、同時展開型の代表例です。原作は全16巻で完結しています。

『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ/講談社)映画、配信ドラマ、映画と交互に進む

かわぐちかいじさんの名作は、往復型のお手本のような展開をしています。2023年9月29日、Prime Videoが日本で初めて製作した劇場映画として東宝系で公開されました。2024年2月9日には、劇場版の先にある東京湾での大海戦までを加えたドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1 〜東京湾大海戦〜』をPrime Videoで配信し、Amazon MGMスタジオが日本で手がけた作品の国内視聴数で歴代1位を記録しています。

続く『沈黙の艦隊 北極海大海戦』は2025年9月26日に劇場公開され、2026年3月20日からは未公開シーンを加えた特別版がPrime Videoで配信されました。映画で入口をつくり、配信ドラマで物語を進め、また劇場で次の章を見せる。全32巻の長編を、媒体を切り替えながら着実に映像化しています。

『ゴールデンカムイ』(野田サトル/集英社)映画の続きをWOWOWのドラマで

山﨑賢人さん主演の実写映画『ゴールデンカムイ』は2024年1月19日に公開され、動員200万人を超えるヒットになりました。その続きを描いたのが、同年10月6日に始まった『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』全9話です。WOWOWでの放送・配信に加え、のちにNetflixでも見られるようになりました。

そして2026年3月13日には、ドラマのさらに続きとなる映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』が公開されています。有料放送・配信のドラマを映画と映画の間にはさみ、物語を途切れさせずに進める構成は、『沈黙の艦隊』と同じ往復型です。

連ドラで育てた物語を劇場で見せたマンガ実写化

配信の時代より前から、地上波の連続ドラマが劇場版へ物語を渡す例はたくさんあります。7月の記事で取り上げた作品とは別に、続きや新章を劇場で描いた作品を4つ選びました。

『LIAR GAME』(甲斐谷忍/集英社)2シーズンの頭脳戦を劇場で決着

フジテレビで2007年と2009年に2シーズン放送されたドラマ『ライアーゲーム』は、戸田恵梨香さんと松田翔太さんのコンビで人気を集めました。シーズン2の続きにあたる『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』は2010年3月6日に公開され、動員約194万人、興行収入23.6億円を記録しています。2012年3月3日には続編『ライアーゲーム 再生』も公開されました。原作は全19巻で完結しています。

『モテキ』(久保ミツロウ/講談社)ドラマの1年後を原作者が書き下ろし

テレビ東京の深夜枠「ドラマ24」で2010年に放送された『モテキ』は、森山未來さん演じる主人公の不器用な恋模様で話題になりました。2011年9月23日公開の映画版は、ドラマの1年後を舞台にしたオリジナルストーリーで、原作者の久保ミツロウさん自身が物語を書き下ろしています。監督はドラマと同じ大根仁さんです。原作は全4巻と短く、映画を見る前後に一気に読めます。

『岸辺露伴は動かない』(荒木飛呂彦/集英社)NHKのドラマから映画2作へ

『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ『岸辺露伴は動かない』は、2020年から高橋一生さん主演でNHKのドラマとして放送され、年末を中心に新作エピソードが重ねられてきました。そのキャストと世界観のまま、2023年5月26日に映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』、2025年5月23日に『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が公開されています。短編を1話ずつ映像化してきたシリーズが、劇場向けの長い1本へと広がった例です。

『ミステリと言う勿れ』(田村由美/小学館)月9から劇場版が5週連続1位

菅田将暉さんが主人公・久能整を演じたフジテレビの月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』は、2022年1月から放送されました。2023年9月15日に公開された劇場版は、原作の人気エピソードを映画化したもので、公開から5週連続で週末興行ランキング1位を獲得しています。公開31日間で動員278万人、興行収入37億6300万円を突破する大ヒットになりました。原作は現在も連載が続いています。

真鍋昌平作品は15年前にも同じ道を通っていた

『九条の大罪』の読者なら、前作『闇金ウシジマくん』を思い出す方も多いはずです。2010年にMBS製作の深夜ドラマとして山田孝之さん主演で実写化され、ドラマのシーズンを重ねながら2012年から2016年にかけて映画が4作公開されました。ゴールデン帯では扱いにくい題材を深夜ドラマでじっくり育て、劇場で回収する進め方です。

『九条の大罪』は、その育てる場所が深夜の地上波からNetflixの世界配信へ移ったと見ることができます。日本の週間TOP10で4週連続1位、グローバルTOP10(非英語シリーズ)にも2週連続で入った作品が、今度は映画館で続きを見せることになります。原作は全46巻で完結しているので、九条を読み終えたあとに手に取るのもおすすめです。

一覧で見る、ドラマの続きを劇場で描いたマンガ実写化

本記事で取り上げた作品を、ドラマと劇場版の関係で整理しました。

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No.作品(原作者)ドラマ劇場版つながり方
1LIAR GAME(甲斐谷忍)フジテレビ・2007年、2009年2010年『ザ・ファイナルステージ』、2012年『再生』連ドラの続きを劇場で決着
2闇金ウシジマくん(真鍋昌平)MBS深夜・2010年〜2012〜2016年に4作深夜ドラマと映画を並走
3モテキ(久保ミツロウ)テレビ東京・2010年2011年『モテキ』ドラマの1年後を原作者が書き下ろし
4岸辺露伴は動かない(荒木飛呂彦)NHK・2020年〜2023年『ルーヴルへ行く』、2025年『懺悔室』同じキャストで劇場向けの1本に
5ミステリと言う勿れ(田村由美)フジテレビ月9・2022年2023年『ミステリと言う勿れ』5週連続1位の劇場版
6沈黙の艦隊(かわぐちかいじ)Prime Video・2024年2023年『沈黙の艦隊』、2025年『北極海大海戦』映画と配信ドラマを交互に
7ゴールデンカムイ(野田サトル)WOWOW・2024年2024年『ゴールデンカムイ』、2026年『網走監獄襲撃編』映画の間に有料ドラマをはさむ
8【推しの子】(赤坂アカ×横槍メンゴ)Prime Video・2024年11月2024年12月『The Final Act』配信の翌月に劇場でクライマックス
9九条の大罪(真鍋昌平)Netflix・2026年4月2027年1月8日『映画 九条の大罪』配信ドラマのラストを継ぐ完全新作

並べてみると、配信がからむ作品はすべて2023年以降に集中しています。配信ドラマだけで完結させる作品が多いなか、劇場へ物語を渡す選択肢が少しずつ増えてきたことが分かります。配信で世界にファンを広げた作品が映画館に戻ってくる流れは、これからさらに広がりそうです。

配信ドラマとして実写化されたマンガの全体像や、実写映画化された作品の一覧、ドラマの続編として劇場に進んだ『花より男子ファイナル』の話は、こちらの記事でまとめています。2027年1月8日には、同じ日に香取慎吾さん主演の実写映画『高校生家族』も公開されます。

公開までの2か月余りで、原作の九条に追いついておく

『映画 九条の大罪』の公開まで、残りは2か月余りです。Netflixシリーズを見て続きが気になっている方は、原作で先の展開を読んでおくと、映画でどこが描かれ、どこが変わったのかを比べる楽しみが生まれます。ドラマ未見の方も、映画は初見で楽しめる構成とされているので、原作1巻から入るのも手です。

今回紹介した『沈黙の艦隊』や『ゴールデンカムイ』のように、配信と劇場の両方で物語が進む作品は、原作で全体を押さえておくと映像の見え方が変わります。全巻セットのリンクは各作品の紹介のあとにまとめています。

配信で見た人が「続き」を探しに来る棚をつくる

配信ドラマから劇場版へ続く作品は、話題の山が一度で終わりません。配信開始、映画化発表、予告と主題歌の解禁、公開、そして公開後の配信と、そのたびに「原作で続きを読みたい」という人が増えます。『九条の大罪』の予告解禁も、ちょうどその山のひとつです。

温浴施設やネットカフェ、ホテルのラウンジにマンガ棚があれば、こうした波をお客様の滞在時間として受け止められます。スマホで配信ドラマを見た人が、館内で原作を見つけて読みふける。その流れをつくるには、話題作を公開のタイミングに合わせて切らさず並べておくことが欠かせません。

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