『薬屋のひとりごと』の猫猫が魔法使いに! メダリストもリゼロも、2026年のハロウィンに作品公式が見せた姿を振り返る
TVアニメ『薬屋のひとりごと』のハロウィンビジュアルが、2026年10月29日から3日連続で公開されています。今年のテーマは「魔法使いたちのハロウィンナイト」。第1弾では、魔法使いの衣装をまとった猫猫が分厚い本を片手に大鍋で薬を作り、その隣で趙迂が興味津々に鍋をのぞき込む姿が描かれました。
ふだんは後宮や花街で毒と薬に向き合っている猫猫が、魔女の大鍋をかき混ぜている。薬師という設定を魔法使いの仮装にそのまま重ねた1枚は、ファンのあいだで「似合いすぎる」と受け止められています。
ハロウィンに合わせて新しいイラストを出したのは『薬屋』だけではありません。劇場版を控える『メダリスト』、グッズ化まで同時に発表した『Re:ゼロから始める異世界生活』、ハロウィン当日にアニメ化を発表した『柊さんちの吸血事情』など、今年も多くの作品の公式が季節限定の姿を見せました。ハロウィン当日のいま、各作品がどんな姿で10月31日を迎えたのかを振り返り、作品公式が毎年のように季節ビジュアルを出す理由も考えてみます。
今年の猫猫は魔法使い、3年目に入った『薬屋のひとりごと』のハロウィン
まずは起点となった『薬屋のひとりごと』の企画から見ていきます。アニメ公式のハロウィン企画は今年で3年目にあたり、すっかり秋の恒例行事になりました。
10月29日から3日連続、第1弾は猫猫と趙迂、第2弾は羅半と陸孫
アニメ公式ポータルサイトでは10月22日に、ハロウィンイラストのシルエットが先行公開されました。誰がどんな衣装で登場するのかを伏せたまま期待を高め、10月29日から1日1組ずつビジュアルを解禁する流れです。各ビジュアルにはキャストによるミニボイスドラマの動画もついていて、第1弾では悠木碧さん演じる猫猫と、藤原夏海さん演じる趙迂のやり取りを聴くことができます。
10月30日の第2弾には、羅半と陸孫が登場しました。分厚い本を手に、足元から渦巻く水をまとう羅半と、手の甲にカラスを引き寄せて静かにたたずむ陸孫。猫猫たちの親しみやすい1枚から一転して、ハロウィン前夜らしいミステリアスな雰囲気に仕上がっています。ハロウィン当日の10月31日には、ラストを飾る第3弾が公開される予定です。
2024年はキョンシー、2025年は死神、そして2026年は魔法使いへ
『薬屋』がハロウィンの描き下ろしを始めたのは2024年です。この年は10月31日に、キョンシーに扮した猫猫と九尾の狐に扮した壬氏のビジュアルが公開され、ミニボイスドラマつきの動画やPC・スマホ用の待ち受け配布も行われました。同じイラストを使ったグッズが発売され、アニメイトでのフェアにもつながっています。
2025年は規模を広げ、10月30日から3日連続の公開に切り替わりました。最終日の第3弾では、大鎌を携えた猫猫と、青い炎の杖を持つ壬氏が死神の姿で登場しています。シルエットの先行公開、3日連続の解禁、ボイスドラマ、グッズ展開という型は昨年に固まり、今年の「魔法使いたちのハロウィンナイト」もその型を引き継いでいます。
ちなみに、アニメ!アニメ!が2026年10月に実施した読者アンケート「ハロウィンで仮装したいキャラクターは?」の女性キャラクター編では、猫猫が3位に入りました。公式が仮装させるだけでなく、ファンの側も猫猫に仮装したいと考えていることがわかります。
原作は小説、マンガ版は2つの作画で読み比べられる
『薬屋のひとりごと』は日向夏さんの小説が原作で、ヒーロー文庫(イマジカインフォス)から刊行されています。マンガ版は、ねこクラゲさん作画のスクウェア・エニックス版と、倉田三ノ路さん作画の小学館版『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』の2系統があります。TVアニメ第3期は2026年10月から日本テレビ系で放送中で、12月11日には『劇場版 薬屋のひとりごと 亡妃の秘宝』の公開も控えています。
猫猫が主役になったグッズや、劇場版の主題歌の話題もあわせてどうぞ。
魔法使いの猫猫を見たあとは、本編の猫猫の謎解きをマンガで追いかけてみてください。
2026年のハロウィン、作品公式はこんな姿を見せた
ここからは、『薬屋』以外の作品が2026年のハロウィンに合わせて公開したビジュアルや企画を見ていきます。いずれも公式サイトや公式の発表を報じたメディアで確認できたものに絞りました。テレビアニメの公式だけでなく、原作マンガのWeb連載や体験型施設まで、ハロウィンの出し方は作品ごとにかなり違います。
『メダリスト』いのりたち5人が魔法学校の生徒に
フィギュアスケートマンガ『メダリスト』(つるまいかだ/講談社)のアニメ公式は、10月31日に描き下ろしの「ハロウィン記念ビジュアル」を公開しました。結束いのり、八木夕凪、古部多まいん、申川りんな、炉場愛花の5人が、魔法学校の生徒をイメージしたシックな衣装をまとっています。
公開にあわせてアニメ公式サイトでは壁紙やアイコンなどのデジタルコンテンツが配布され、公式Xではこのビジュアルのポスターが当たるキャンペーンも11月15日まで行われています。TVアニメは2025年から2期にわたって放送され、2027年2月19日には初の映画となる劇場版『メダリスト』が公開予定です。映画まで3か月半というタイミングで、キャラクターたちの新しい姿をファンに届けた形です。『メダリスト』は「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門の1位作品で、同賞は2019年に『薬屋のひとりごと』も1位に選んでいます。
『Re:ゼロから始める異世界生活』ビジュアルと同時にグッズ化も発表
TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』の公式サイトでは、10月31日にハロウィンビジュアルが公開されました。公開を記念して作品公式Xではデジタルコンテンツの配布も行われています。
目を引くのは、同じ日にハロウィン衣装のイラストを使ったグッズの発売まで発表されたことです。スバル、オットー、ガーフィールのアクリルスタンドフィギュアや缶バッジセット、クリアファイルセットが「ハロウィンコス ver.」として用意され、KADOKAWAの公式通販カドストで11月24日まで予約を受け付けています。ハロウィン当日にイラストを出し、その場でグッズの予約まで開く。季節ビジュアルが商品化の起点にもなっている例です。マンガ版は章ごとに作画の異なるシリーズが刊行されています。
『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』原作マンガとアニメが1人ずつ描き下ろし
ヤングマガジン(講談社)で連載中の『追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する』(原作・猫子/漫画・武六甲理衣)は、原作マンガとアニメのスペシャルコラボという形でハロウィンビジュアルを公開しました。WEBザテレビジョンによると、主人公のエルマは原作マンガの武六甲理衣さんが、ヒロインのルーチェはアニメーション制作のGoHandsが描き下ろしています。
2人が扮したのは、作中に登場するモンスターです。ルーチェは初めて挑んだダンジョンに出てくる「ツギハギベア」、エルマは第2クールのPVで激しく戦うモンスター「パッチワーク」の姿になっています。カボチャやおばけではなく、作品世界のモンスターに仮装させるところに、ファンへ向けた遊び心が感じられます。
『朱色の仮面』原作のマンガ担当がジャック・オ・ランタンに座るペルを描く
2026年10月から読売テレビ・日本テレビ系で放送中のTVアニメ『朱色の仮面』では、原作マンガを手がける那波なばなさんによるハロウィンイラストが公開されました。巨大なジャック・オ・ランタンの上にあぐらをかいて座る主人公ペルが、ピースサインを向けて「Trick or Treat!」と呼びかける1枚です。
本編は、仮面の力に操られて仲間や師匠を手にかけてしまったペルが、仮面を壊すために旅に出る重い物語です。そのぶん、無邪気な少年らしい表情を見せるハロウィンイラストはファンにとって新鮮に映ります。原作は少年画報社の「ヤングキングアワーズ」で連載中で、11月6日にはABEMA、7日にはニコニコ生放送で第1話から第4話の一挙配信も決まっています。今期の原作つきアニメの全体像は、秋アニメのまとめ記事でも紹介しています。
『柊さんちの吸血事情』アニメ化の発表そのものをハロウィンにぶつけた
今年いちばん大胆だったのは、『柊さんちの吸血事情』(吉河美希/講談社「別冊少年マガジン」連載)かもしれません。10月29日の深夜、アニメ化を伏せたまま作品の公式Xが開設され、「柊家からの招待状」と題した投稿や、柊家を思わせる家に足を踏み入れる映像が少しずつ公開されました。
そしてハロウィン当日の10月31日、TVアニメ化が正式に発表されます。あわせて公開されたスーパーティザービジュアルには、月夜を背景に、吸血鬼一家・柊家の次女の雪枝が主人公・翔太の首元へ迫る姿が描かれていました。家族全員が吸血鬼という設定の作品にとって、ハロウィンはこれ以上ない発表日だったといえます。
『裏ダンジョンおくさん』Web連載のおまけページでも仮装
アニメ化作品だけがハロウィンを祝っているわけではありません。小学館のマンガアプリ・サイト「サンデーうぇぶり」で連載中の『裏ダンジョンおくさん』(原作・大井昌和/作画・いのまる)は、10月20日に公開した「おまけ24」で、ハロウィンの仮装をしたジュジュ、ユイ、竜子の3人を描いています。毎週の更新にあわせて季節のおまけを差し込めるのは、Web連載ならではの身軽さです。
ちいかわパークは館内まるごとハロウィーン仕様に
イラストではなく、場所そのものを季節仕様に変えたのが、東京・池袋サンシャインシティの体験型施設「ちいかわパーク」です。9月25日から10月31日まで、エントランスや物販エリアをハロウィーンの装飾で彩り、限定のフォトスポットや、ハロウィーンの装いをしたちいかわたちに会えるグリーティング、期間限定のオリジナル商品を用意しました。
公式ビジュアルが画面の中で季節を演出するのに対して、ちいかわパークは来場者が季節の作品世界に入り込む仕掛けです。施設が季節イベントで人を呼ぶ形として、あとで触れる施設運営者向けの話にもつながります。テーマパークや街のハロウィンイベントは、9月に公開した総まとめ記事で紹介しています。
2026年ハロウィンの作品公式ビジュアル・企画一覧
ここまで紹介した作品を、公開日と中身で一覧にしました。日付は公式サイトや報道で確認できた公開日です。
| No. | 作品名 | 公開日 | どんな姿・企画か | あわせて行われたこと |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 薬屋のひとりごと | 10月29日〜31日 | 魔法使い姿の猫猫と趙迂、羅半と陸孫ほか(3日連続) | シルエット先行公開、ミニボイスドラマ |
| 2 | メダリスト | 10月31日 | 魔法学校の生徒になったいのりたち5人 | 壁紙・アイコン配布、ポスタープレゼント |
| 3 | Re:ゼロから始める異世界生活 | 10月31日 | ハロウィン衣装のキャラクタービジュアル | デジタルコンテンツ配布、グッズ予約開始 |
| 4 | 追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する | 10月31日 | 作中モンスターに扮したエルマとルーチェ | 原作マンガとアニメ制作会社が1人ずつ描き下ろし |
| 5 | 朱色の仮面 | 10月31日 | ジャック・オ・ランタンに座るペル | 原作マンガ担当の描き下ろし |
| 6 | 柊さんちの吸血事情 | 10月31日 | 吸血鬼の雪枝が翔太に迫るティザービジュアル | TVアニメ化を発表 |
| 7 | 裏ダンジョンおくさん | 10月20日 | 仮装したジュジュ、ユイ、竜子 | Web連載のおまけページで公開 |
| 8 | ちいかわ(ちいかわパーク) | 9月25日〜10月31日 | 館内のハロウィーン装飾と限定グリーティング | フォトスポット、限定商品 |
作品公式は、なぜ毎年ハロウィンの姿を描くのか
一覧を眺めると、季節ビジュアルを出した作品には共通点があります。多くが放送中か、劇場版やアニメ化を控えた作品だということです。『薬屋』は第3期の放送中で12月に劇場版、『メダリスト』は2027年2月に劇場版、『朱色の仮面』は放送開始から1か月足らず、『柊さんちの吸血事情』はまさにアニメ化の発表日でした。放送や公開の合間に、本編とは別の話題をひとつ足しておく。ハロウィンは、その話題を毎年同じ時期に確実に作れる日です。
もうひとつは、季節ビジュアルがファンの手元に残る素材になっていることです。『メダリスト』や『Re:ゼロ』は壁紙やアイコンを配布し、『薬屋』は2024年から待ち受け画像を配っています。いつもと違う姿のキャラクターは、スマホやSNSのアイコンに使われ、投稿されるたびに作品名が広がっていきます。
そして、イラストはそのままグッズやフェアに展開できます。『薬屋』は2024年も2025年もハロウィンのイラストを使ったアニメイトのフェアを開き、『Re:ゼロ』は公開当日にグッズの予約を始めました。1枚の描き下ろしが、話題づくり、ファンの共有、商品化の3つを同時に担っている。毎年続けるうちに「今年は誰が、どんな仮装で出てくるのか」とファンに待たれる行事になり、『薬屋』のシルエット先行公開のような期待のあおり方も成り立つようになりました。
仮装した姿を見届けたら、ふだんの猫猫に会いに行く
ハロウィンのビジュアルは、本編のキャラクターを知っているほど楽しめます。猫猫が大鍋をかき混ぜる姿がおかしいのは、彼女が本編で毒と薬にのめり込む薬師だと知っているからです。いのりたちが魔法学校の制服を着ているのを見て、氷の上での真剣な表情を思い出す人も多いでしょう。
今年のビジュアルで気になる作品が見つかったら、ハロウィンが終わったあとに原作を手に取ってみてください。『薬屋』は12月11日の劇場版公開まで、TVアニメ第3期とあわせて物語を追いかけるにはちょうどいい時期です。来年のハロウィンに誰がどんな姿で現れるのかを想像しながら読むのも、ひとつの楽しみ方です。
ハロウィンの次はクリスマス、季節の山に合わせて棚を入れ替える
作品公式のハロウィン企画は、毎年ほぼ同じ時期に、ほぼ同じ型で行われます。『薬屋』のように3年続けば、来年の10月下旬にもまた新しいビジュアルが出ると予想できます。季節の話題がいつ来るかを前もって読めるのは、施設のマンガコーナーにとって大きな利点です。
温浴施設やホテル、ネットカフェなどでは、10月に入ったら吸血鬼やモンスター、魔法が出てくる作品を面陳にし、話題の『薬屋のひとりごと』や『メダリスト』を目に入る場所に並べるだけでも、季節感のある棚に変わります。ハロウィンが終われば次はクリスマス、年末年始と季節の山が続き、そのあいだに劇場版の公開やアニメの放送開始も重なります。ちいかわパークが館内をまるごと季節仕様にしたように、棚の中身を季節と話題に合わせて入れ替えることも、来館の理由のひとつになります。
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