『ガンダムSEED FREEDOM ZERO』2027年1月15日公開! 42年破られなかった『めぐりあい宇宙』の記録を超えたSEED、ガンダム映画の歩みを興行収入でたどる
アニメ映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO』が、2027年1月15日に劇場公開されることが発表されました。2024年に公開された『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の前日譚で、主人公は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で主役の1人として描かれたシン・アスカです。
『SEED FREEDOM』は興行収入50億円・観客動員300万人を突破し、ガンダムシリーズの劇場作品として最高の興行収入を記録しました。それまでの1位は1982年の『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』の23億円で、この数字は42年間更新されていませんでした。ガンダムの劇場作品はどのように歩み、なぜいま映画館がシリーズの主戦場になりつつあるのか。新作の情報とあわせて振り返ります。
『SEED FREEDOM ZERO』はどんな映画か
舞台は『DESTINY』と『FREEDOM』のあいだの時間です。オーブ連合首長国代表のカガリを中心に、世界平和監視機構「コンパス」の創設が進むなか、シンは自分が進むべき道を見いだせずにいます。そんな折、オノゴロ島のコンパス暫定基地に移送されてきたストライクフリーダムガンダムが、何者かに強奪されてしまいます。
シン・アスカ役は鈴村健一さん、ルナマリア・ホーク役は坂本真綾さん、アグネス・ギーベンラート役は桑島法子さんが続投します。『SEED FREEDOM』の特典小説「月光のワルキューレ」に登場したレオナード・バルウェイが映像作品に初めて登場し、小野大輔さんが演じます。モビルスーツではストライクフリーダムガンダムやインフィニットジャスティスガンダムに加え、新たに「グフイグナイテッドカスタム」が登場します。
本作のシナリオは、『SEED FREEDOM』の企画中にシリーズ構成の両澤千晶さん、森田繁さん、福田己津央監督が書いたものです。両澤さんは2016年に亡くなっており、福田監督は「妻であったシリーズ構成・故両澤千晶が最後に脱稿した作品」とコメントしています。一時はお蔵入りも覚悟したというシナリオが、ファンの後押しで映像になりました。
公開に向けて、10月16日にはムビチケカード第1弾が発売されます。全287シーンからお気に入りを選ぶ「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ グランプリ2026」も開かれ、上位シーンは入場者プレゼントの描き下ろしイラストになります。2027年1月9日から11日に幕張メッセで開かれる「GUNDAM-Con2027 SIDE MAKUHARI」には、鈴村さんや福田監督らの登壇も決まっています。
ガンダム映画は、TVシリーズの再編集から始まった
ガンダムの劇場作品は、もともとTVシリーズを「まとめて観る」ためのものでした。ここでは公開年の順に、節目になった作品をたどります。
1981〜82年 劇場版三部作、23億円の金字塔
1979年に放送されたTVアニメ『機動戦士ガンダム』は、本放送時には視聴率が振るわず、再放送やプラモデルの人気で火がついた作品です。その熱が頂点に達したのが、1981年3月に公開された劇場版『機動戦士ガンダム』から始まる三部作でした。TV版を再編集し、新作カットを加えた構成です。
1982年3月公開の完結編『めぐりあい宇宙編』は興行収入23億円を記録しました。この記録は、その後40年以上にわたってガンダム映画の頂点であり続けます。
1988〜91年 完全新作の『逆襲のシャア』『F91』
1988年の『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、TVの再編集ではない、劇場オリジナルのガンダムとして作られました。アムロとシャアの最後の戦いを描き、のちの『閃光のハサウェイ』へ物語がつながっていきます。1991年の『機動戦士ガンダムF91』は、新しい時代と主人公を劇場で始める試みでした。
F91の物語は映画1本では完結せず、その後はマンガへ引き継がれました。富野由悠季さん原作、長谷川裕一さん作画の『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(KADOKAWA)は、F91から10年後を描く続編です。映画の続きをマンガで読むという流れは、ガンダムでは早くから定着していたことが分かります。
2005〜2010年 新訳と、TV続編の劇場版
2005年から2006年にかけては、1985年のTVシリーズを富野監督が新作画で再構成した『機動戦士Ζガンダム A New Translation』三部作が公開されました。2010年には『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』が、TVシリーズの完結編として上映されています。『SEED』の劇場版が初めて発表されたのも、この時期の2006年でした。
2015〜2022年 マンガ原作のガンダムが劇場へ
2015年には、安彦良和さんのマンガ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(KADOKAWA)のアニメ化が全国の劇場でのイベント上映として始まり、2018年までに全6話が公開されました。ガンダムエースで2001年から2011年まで連載された全24巻の大作で、ファーストガンダムを安彦さん自身の解釈で描き直しています。
2022年の『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は、TVシリーズ第15話を安彦さんが監督として映画化した作品です。劇場版三部作では割愛されていたエピソードで、興行収入は11億円を超えました(2022年10月時点、バンダイナムコフィルムワークス発表)。大野純二さんのマンガ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』も、安彦監督が映画化のきっかけの一つに挙げています。
2021年〜 『閃光のハサウェイ』が33年ぶりの10億円超え
2021年6月公開の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、富野監督の小説を原作とする三部作の第1部です。シリーズ映画の興行収入が10億円を超えたのは『逆襲のシャア』以来33年ぶりと報じられ、最終的に22.3億円に達しました。2026年1月公開の第2部『キルケーの魔女』は公開29日間で22.4億円となり、早くも前作を上回っています。
さびしうろあきさんによるコミカライズ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(KADOKAWA)もガンダムエースで連載されており、映画の合間に物語を追いかける読者の受け皿になっています。
『SEED FREEDOM』が42年ぶりに記録を塗り替えた
『SEED』のTVシリーズは2002年、続編の『DESTINY』は2004年に放送が始まりました。2006年に劇場版が発表されたものの、その後は長く続報がなく、ファンのあいだでは「幻の作品」と呼ばれるようになります。2016年には両澤さんが亡くなり、映画の実現はさらに遠のいたように見えました。
それでも制作は続けられ、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は2024年1月26日に公開されます。発表から18年、TVシリーズの放送当時に10代だったファンが大人になってから迎えた公開でした。公開18日間で興行収入26.8億円に達して『めぐりあい宇宙編』の23億円を超え、最終的には50億円・観客動員300万人を突破しています。
流れはその後も続いています。2025年1月公開の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』は、TVシリーズの放送前に劇場で先行公開するという異例の形をとり、公開73日間で33.4億円を記録しました。かつてはTVのまとめだった劇場版が、いまはシリーズの入口であり、ファンが集まる場所になっています。
『SEED』のマンガには、岩瀬昌嗣さんによる『機動戦士ガンダムSEED』(講談社)のコミカライズのほか、本編とは別の主人公を描く外伝『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』シリーズ(KADOKAWA)があります。アニメ本編を観たあとに外伝を読むと、コズミック・イラの世界がぐっと広がります。
ガンダム劇場作品の歩み(主な作品)
ここまで紹介した主な劇場作品を一覧にまとめました。興行収入は公式発表または大手報道で確認できたものだけを記載しています。
| No. | 公開年 | 作品 | 位置づけ | 興行収入 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1981年 | 機動戦士ガンダム(劇場版) | TV版を再編集した三部作の第1部 | — |
| 2 | 1982年 | 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編 | 三部作の完結編 | 23億円 |
| 3 | 1988年 | 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア | 劇場オリジナルの新作 | — |
| 4 | 1991年 | 機動戦士ガンダムF91 | 新しい時代を劇場で始動 | — |
| 5 | 2005〜06年 | 機動戦士Ζガンダム A New Translation | TV版を新作画で再構成した三部作 | — |
| 6 | 2010年 | 劇場版 機動戦士ガンダム00 | TVシリーズの完結編 | — |
| 7 | 2015〜18年 | 機動戦士ガンダム THE ORIGIN | 安彦良和のマンガをイベント上映 | — |
| 8 | 2021年 | 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ | 小説原作の三部作・第1部 | 22.3億円 |
| 9 | 2022年 | 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 | TV第15話を映画化 | 11億円超(2022年10月時点) |
| 10 | 2024年 | 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM | 発表から18年でSEEDの完結編 | 50億円超 |
| 11 | 2025年 | 機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning- | TVシリーズの先行劇場版 | 33.4億円(公開73日時点) |
| 12 | 2026年 | 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女 | 三部作の第2部 | 22.4億円(公開29日時点) |
| 13 | 2027年 | 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO | DESTINYとFREEDOMをつなぐ前日譚 | 1月15日公開 |
公開までの3か月で、SEEDを最初から観直す
『FREEDOM ZERO』は前日譚なので、『SEED』『DESTINY』『FREEDOM』を観ていれば楽しみが何倍にもなります。とくにシン・アスカは『DESTINY』で葛藤を抱えたまま物語を終えたキャラクターなので、TVシリーズを観直してから劇場に向かうのがおすすめです。
映像とあわせて、外伝の『ASTRAY』シリーズや『THE ORIGIN』のようなマンガを手に取ると、モビルスーツの設定や世界の歴史が立体的に見えてきます。1月15日の公開まで約3か月、シリーズを一気にたどるにはちょうどよい時間です。
40代も20代も手に取る「ガンダムの棚」をつくる
ガンダムは、1979年のファーストを知る世代から、『SEED』を10代で観た世代、『ジークアクス』から入った若い世代まで、ファン層が何重にも重なったシリーズです。同じ作品群が、親子や同僚どうしの会話のきっかけにもなります。
映画の公開は、こうした世代をまたぐ作品をあらためて棚に並べるよい機会です。『THE ORIGIN』の全24巻のように、数日かけて読み進める長編は、ネットカフェや温浴施設、ホテルなど滞在時間の長い施設と相性がよく、続きが気になってまた来たくなる理由にもなります。
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