実写映画『マッシュル』は2027年3月19日公開、主演は前田真剣佑! 『デスノート』から『はたらく細胞』まで、ワーナーが映画にしてきたマンガをふり返る
「週刊少年ジャンプ」で連載された甲本一さんの『マッシュル-MASHLE-』が実写映画になります。タイトルは『マッシュル』、公開は2027年3月19日です。11月4日に映画化が発表され、翌5日には主人公マッシュ・バーンデッド役を前田真剣佑さんが演じること、脚本・監督を福田雄一さんが務めることが明らかになりました。
製作幹事にはワーナー・ブラザース映画とフジテレビジョンが並びます。ワーナーといえば、日本でも『デスノート』『るろうに剣心』『鋼の錬金術師』など、マンガの実写映画を20年近く手がけてきた会社です。魔法と筋肉の物語を、ワーナーはどう映画にするのか。過去の作品を並べると、その答えの手がかりが見えてきます。
実写映画『マッシュル』で、いま決まっていること
公式サイトと各社の発表によると、配給は東宝、制作プロダクションは『キングダム』シリーズや映画『国宝』を手がけたCREDEUSです。原作は集英社ジャンプコミックスから全18巻で完結しており、全世界累計発行部数は1,200万部とされています。
主演の前田真剣佑さんは、10月31日にそれまでの芸名「新田真剣佑」から本名の「前田真剣佑」への改名を発表したばかりです。改名から5日後に発表されたのが、この『マッシュル』の主演でした。
前田さんはオファーを受けた日から約3年をかけて体をつくったとコメントしています。福田監督によれば、クランクイン前日に現れた前田さんは「上半身ムキムキで、下半身は極細」という、原作どおりの体型に仕上がっていたそうです。福田監督は映画化の許諾が出てすぐに前田さんへ連絡し、「ゾロの撮影はいつまでですか?」と尋ねたことも明かしています。Netflixシリーズ「ONE PIECE」でロロノア・ゾロを演じている俳優に、別のジャンプ作品の主役を頼んだわけです。
発表と同時に公開された超特報映像では、マッシュが杖の代わりにダンベルを握り、森の中で推定9.2トンのバーベルを高速で上げ下げしています。原作者の甲本さんも撮影現場を訪れ、「筋肉の仕上がりマジでハンパなくて」と驚きをつづりました。
そもそも『マッシュル-MASHLE-』はどんなマンガ?
『マッシュル-MASHLE-』(甲本一/集英社)は、2020年1月から2023年7月まで「週刊少年ジャンプ」で連載されました。誰もが魔法を使い、魔法の優劣で人の価値が決まる世界で、魔法をまったく使えない少年マッシュが、鍛え上げた筋肉だけで名門魔法学校を生き抜いていく物語です。
最強の魔法使い「神覚者」を目指す王道のバトルと、魔法をすべて腕力で片づけてしまうギャグが同居しているのが持ち味です。福田監督も「陰キャで最強の主人公に王道のギャグ」と、この組み合わせにほれ込んだと語っています。
アニメは2023年に第1期、2024年に第2期が放送されました。第2期のオープニングを飾ったCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」は世界的なヒットになり、作品の知名度を海外にも広げています。第3期は2027年1月に放送予定で、映画公開の約2か月前から再びアニメが動き出す流れです。
ワーナーは日本のマンガをどう実写映画にしてきたのか
ワーナー・ブラザースは『ハリー・ポッター』シリーズを世に送り出したハリウッドの大手ですが、日本法人は邦画の製作・配給にも力を入れてきました。とくにマンガ原作の実写映画では、規模の大きな作品をいくつも手がけています。代表的な作品を公開順に見ていきます。
2006年『デスノート』、前後編の連続公開で勝負した
『DEATH NOTE』(大場つぐみ・小畑健/集英社)の実写映画は、金子修介監督、藤原竜也さんと松山ケンイチさんの出演で、ワーナーの配給により公開されました。前編が2006年6月17日、後編『デスノート the Last name』が同年11月3日です。1本の物語を前後編に分けて半年のうちに続けて公開する方式は、邦画では初めての試みでした。
名前を書かれた人間が死ぬノートという、文字にすると荒唐無稽な設定を、頭脳戦のサスペンスとして成立させた点が評価されました。マンガの実写化を「大作の企画」として扱う流れの、早い時期の例といえます。
2012年『るろうに剣心』、シリーズ5作でワーナー邦画の看板に
『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』(和月伸宏/集英社)は、大友啓史監督、佐藤健さん主演で2012年8月25日に公開されました。製作・配給はワーナーで、第1作の興行収入は30.1億円です。本物の剣戟に近いアクションが話題となり、2014年には『京都大火編』『伝説の最期編』の2部作が続きました。
『京都大火編』の興行収入52.5億円は、長らくワーナーが製作した邦画の最高記録でした。2021年の『最終章 The Final』『最終章 The Beginning』で全5作が完結し、『The Final』では前田さんが当時の芸名で敵役の雪代縁を演じています。前田さんにとって、ワーナーのマンガ実写映画は今回が初めてではありません。
2017年『銀魂』と『ジョジョ』、笑いと海外ロケという両極
2017年7月14日公開の『銀魂』(空知英秋/集英社)は、福田雄一監督、小栗旬さん主演で、配給はワーナーでした。興行収入38.4億円を記録し、その年に公開された実写邦画で1位になっています。翌2018年には続編『銀魂2 掟は破るためにこそある』も公開されました。福田監督とワーナーの組み合わせは、この作品で一度大きな結果を出しているわけです。
同じ2017年の8月4日には、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(荒木飛呂彦/集英社)が東宝とワーナーの共同配給で公開されました。三池崇史監督、山﨑賢人さん主演です。原作の舞台「杜王町」のイメージに合う街を探した結果、スペイン・バルセロナ近郊のシッチェスで約1か月のロケを行いました。日本の地方都市が舞台でありながら、どこか異国のような原作の空気を、海外の街並みで再現しようとした例です。
2017年『鋼の錬金術師』、西洋風の世界を日本人キャストで
『鋼の錬金術師』(荒川弘/スクウェア・エニックス)は、曽利文彦監督、山田涼介さん主演で2017年12月1日に公開されました。配給はワーナーです。舞台は錬金術が発達した架空の国で、登場人物の名前も街並みも西洋風という作品を、主要キャストを日本人俳優で固めて撮りました。原作の世界観に近い風景を求めてイタリアでロケを行ったことも話題になりました。
第1作の興行収入は約12億円でした。2022年には『完結編 復讐者スカー』(5月20日)と『完結編 最後の錬成』(6月24日)の2部作で原作の最後まで描き切っています。この完結編でスカーを演じたのも前田さんです。西洋風の世界を日本人キャストで実写にするという、『マッシュル』とよく似た課題に、前田さんはすでに一度向き合っています。
2018年『BLEACH』、死神と虚をCGで描いた
『BLEACH』(久保帯人/集英社)は、佐藤信介監督、福士蒼汰さん主演で2018年7月20日に公開されました。配給はワーナーで、朽木ルキア役は杉咲花さんです。霊が見える高校生が死神の力を得て、巨大な悪霊「虚(ホロウ)」と戦う物語で、人間ではない敵とのバトルを実写でどう見せるかが問われた作品です。現実にはない力を画面に出すという点で、魔法バトルを描く『マッシュル』にも通じる作品です。
2024年『はたらく細胞』、ワーナー配給の邦画で歴代1位に
『はたらく細胞』(清水茜/講談社)は、武内英樹監督、永野芽郁さんと佐藤健さんのダブル主演で2024年12月13日に公開されました。配給はワーナーです。体内の細胞を擬人化した原作に、人間の親子のドラマを重ねた構成で幅広い世代を集め、興行収入63億円を突破しました。『るろうに剣心 京都大火編』の記録を抜き、ワーナー配給の邦画として歴代1位になっています。
ジャンプ作品ではありませんが、細胞が働く体内という現実にない世界を、笑いを交えた大作として成立させた点は見逃せません。ワーナーのマンガ実写映画は、ここ数年でアクション大作だけでなく、コメディ色の強いファンタジーでも結果を出してきたことになります。
一覧で見る、ワーナーが手がけた主なマンガ実写映画
ここまでの作品を公開順に並べ直しました。ワーナーの関わり方は作品ごとに異なるため、「ワーナーの役割」の欄で配給・製作の別を示しています。
| No. | 公開日 | 映画タイトル | 原作(作者) | 主演 | 監督 | ワーナーの役割 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2006年6月17日 | DEATH NOTE デスノート | DEATH NOTE(大場つぐみ・小畑健) | 藤原竜也 | 金子修介 | 配給 |
| 2 | 2006年11月3日 | デスノート the Last name | DEATH NOTE(大場つぐみ・小畑健) | 藤原竜也 | 金子修介 | 配給 |
| 3 | 2012年8月25日 | るろうに剣心 | るろうに剣心(和月伸宏) | 佐藤健 | 大友啓史 | 製作・配給 |
| 4 | 2017年7月14日 | 銀魂 | 銀魂(空知英秋) | 小栗旬 | 福田雄一 | 配給 |
| 5 | 2017年8月4日 | ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 | ジョジョの奇妙な冒険(荒木飛呂彦) | 山﨑賢人 | 三池崇史 | 共同配給(東宝と) |
| 6 | 2017年12月1日 | 鋼の錬金術師 | 鋼の錬金術師(荒川弘) | 山田涼介 | 曽利文彦 | 配給 |
| 7 | 2018年7月20日 | BLEACH | BLEACH(久保帯人) | 福士蒼汰 | 佐藤信介 | 配給 |
| 8 | 2021年4月23日 | るろうに剣心 最終章 The Final | るろうに剣心(和月伸宏) | 佐藤健 | 大友啓史 | 製作・配給 |
| 9 | 2022年5月20日・6月24日 | 鋼の錬金術師 完結編(2部作) | 鋼の錬金術師(荒川弘) | 山田涼介 | 曽利文彦 | 配給 |
| 10 | 2024年12月13日 | はたらく細胞 | はたらく細胞(清水茜) | 永野芽郁、佐藤健 | 武内英樹 | 配給 |
| 11 | 2027年3月19日(予定) | マッシュル | マッシュル-MASHLE-(甲本一) | 前田真剣佑 | 福田雄一 | 製作幹事(フジテレビと)※配給は東宝 |
『マッシュル』は、この流れのどこに立つ作品なのか
一覧にして気づくのは、『マッシュル』が過去のワーナー作品のいくつかの要素を同時に引き継いでいることです。西洋風の魔法学校という舞台は『鋼の錬金術師』が向き合った課題と重なり、笑いを軸にした作りは『銀魂』の福田監督が担います。主演の前田さんは『るろうに剣心』と『鋼の錬金術師』の両方に出演しており、ワーナーのマンガ実写映画を内側から知る俳優です。
一方で、これまでと違う点もあります。今回のワーナーは配給ではなく、フジテレビとともに製作幹事を務め、配給は東宝が担当します。制作のCREDEUSと福田監督は、2026年4月29日公開の実写映画『SAKAMOTO DAYS』(鈴木祐斗/集英社)でも組んでおり、この作品の配給も東宝でした。ジャンプ作品の実写化で実績を重ねたチームに、ワーナーが製作側として加わった形です。
福田監督がこれまで手がけてきたジャンプのギャグ漫画の実写化については、別の記事で作品ごとにまとめています。『マッシュル』をギャグ作品の延長として見るか、ファンタジー大作として見るかで、期待のしかたも変わりそうです。
- 香取慎吾が45歳の“おじさん高校生”に! 『高校生家族』実写映画は2027年1月8日公開、ジャンプのギャグ漫画はどう実写映画になってきたのか
- 実写映画『ブルーロック』が全国65館でIMAX同時公開! 実写映画化された日本の漫画にはどんな作品がある?【出演者・興行収入一覧】
アニメ第3期から映画公開まで、18巻を読み切る冬にする
2027年は、1月にアニメ第3期が始まり、3月19日に実写映画が公開されるという順番で『マッシュル』が動きます。原作は全18巻で完結しているので、アニメで追いつく前に結末まで読んでおくこともできますし、映画を見てから原作で細かなギャグを拾い直す楽しみ方もできます。
2026年12月19日・20日に幕張メッセで開かれる「ジャンプフェスタ2027」のステージにも『マッシュル-MASHLE-』が登場します。イベント、アニメ、映画と話題が続くこの冬は、まとめて読み始めるにはちょうどよい時期です。
映画の話題が届く前に、完結済みの全18巻を棚に並べておく
実写映画の公開は、原作を読んだことのない人が作品に出会うきっかけになります。とくに『マッシュル』はアニメ第3期と映画の公開が2か月ほどの間隔で続くため、話題が長く続きやすい作品です。完結済みで巻数が18巻と手ごろなことも、施設に置くマンガとしては扱いやすい点です。
温浴施設やホテル、ネットカフェなどのマンガコーナーでは、こうした映像化のタイミングに合わせて棚を入れ替えることで、来館者に「ちょうど読みたかった作品がある」と感じてもらいやすくなります。スマートコミックでは、話題作や映像化作品を時期に合わせて入れ替えるコミックレンタルサービスを提供しています。棚づくりのご相談は、料金表・事例資料からお気軽にご覧ください。

