野田クリスタルの「漫画クリスタル」がレギュラー化、初回は狩猟マンガ特集! 『クマ撃ちの女』から『ゴールデンカムイ』まで、山に入りたくなる狩猟マンガ8作

マヂカルラブリーの野田クリスタルさんがMCを務めるマンガ紹介番組「漫画クリスタル」が、BSテレ東でレギュラー番組になりました。2026年10月7日から、毎月最終週を除く水曜24時30分に放送されています。

レギュラー初回のテーマは、なんと「狩猟マンガ」でした。ゲストは『クマ撃ちの女』の安島薮太さんと、『漫画家、猟師になる』の前田治郎さんです。クマの出没が連日ニュースになるいま、山と獣を描くマンガにはどんな作品があるのか。番組で紹介された2作を入口に、狩猟マンガを8作集めました。

目次

「漫画クリスタル」はどんな番組か

「漫画クリスタル」は、2026年2月に特番として始まった番組です。第1回では『ダーウィン事変』のうめざわしゅんさんをゲストに迎え、7月の第3弾では伊藤潤二さんが登場しました。作品の紹介だけでなく、マンガ家本人と向き合って話を聞くつくりが特徴で、各出版社の編集者がこれから来る作品を推す「ネクストブレイク」の企画も特番時代から続いています。

野田さんはレギュラー化にあたって、マンガ家の技術的な話よりも「人間性とか人生観みたいなところまで踏み込んだ話」を聞きたいとコメントしています。猟師として山に入るマンガ家をゲストに招いた初回は、その姿勢がよく表れた人選といえそうです。ナレーションは月替わりでマンガ好きの有名人が担当し、10月はモナキのサカイJr.さんが務めています。

そもそも、なぜいま狩猟マンガなのか

背景には、野生動物と人の距離が近くなっている現実があります。内閣官房の資料によると、2025年度のクマ類の出没情報は50,776件(速報値、北海道を除く)にのぼり、人身被害の被害者は238人、死亡は13人と、いずれも過去最多になりました。前年度の出没情報は20,513件だったので、わずか1年で2倍以上に増えたことになります。

一方で、狩猟の担い手は高齢化しています。環境省の統計では、狩猟免許の所持者は1975年の約51.8万人から大きく減り、2021年度は約21.3万人で、その半分以上が60歳以上です。ただし、20代の所持者は2006年度の約2,100人から2021年度には約10,100人へと増えており、若い世代の関心は高まっています。わな猟の免許を持つ人も2007年の約5.2万人から約12万人に増えました。

捕った獲物を食べる文化も広がっています。農林水産省によると、2024年度のジビエ利用量は2,678トンで、2016年度の2.1倍になりました。狩猟は、遠い山奥の話ではなく、食や暮らしにつながる身近なテーマになりつつあります。狩猟マンガは、その現場を知るための格好の入口です。

番組で紹介された2作

『クマ撃ちの女』(安島薮太/新潮社)

北海道で兼業猟師として暮らす小坂チアキが、エゾヒグマを狙って山に入る物語です。ヒグマを追うことに取りつかれたチアキの姿を通して、獣との命がけの駆け引きが描かれます。銃や装備、足跡の読み方、天候の変化といった描写が細かく、読んでいるだけで冷たい山の空気が伝わってきます。

2019年1月に「くらげバンチ」で連載が始まった安島さんの初連載作品で、2026年8月に17巻が発売されています。クマの出没が社会問題になった今あらためて読むと、ヒグマという動物の怖さと、それに向き合う猟師の覚悟が、より切実に感じられる作品です。

『漫画家、猟師になる』(前田治郎/日本文芸社)

マンガ家の前田治郎さんが、静岡県御殿場市の猟師と出会い、自分も猟師になっていく過程を描いた実録マンガです。わな猟の免許を取り、さらに猟銃の所持許可まで得て、山に入るようになるまでの道のりが描かれます。地域でジビエの加工センターをつくることも目指しており、狩猟を「始める」側のリアルが分かる作品です。

2026年1月に「週刊漫画ゴラク」で連載が始まり、5月に1巻が刊行されたばかりの新しい作品です。これから狩猟免許に興味がある人にとっては、免許を取るところから順を追って描かれるので、実用書のような一面もあります。

あわせて読みたい狩猟マンガ6作

番組で紹介された2作のほかにも、狩猟を描いたマンガは実録からフィクションまで幅広くあります。

『山賊ダイアリー』(岡本健太郎/講談社)

狩猟マンガといえば、まずこの作品を挙げる人は多いはずです。現役の猟師でもある岡本健太郎さんが、地元の山で空気銃や自作の罠を使って鳥や獣を獲り、それを料理して食べる日々を描いた実録マンガです。カラスまで捕まえて食べてみる好奇心と、淡々としたユーモアが魅力です。

2011年から「イブニング」で連載され、全7巻で完結しました。続編の『山賊ダイアリーSS』では舞台を海に移し、海での獲物探しを描いています。

『罠ガール』(緑山のぶひろ/KADOKAWA)

わな猟の免許を持つ女子高生・朝比奈千代丸が、実家の畑を荒らすイノシシやシカを罠で捕らえる物語です。作者の緑山さんは農家で、自身もわな猟の免許を持っています。獣害に悩む農家の目線から狩猟を描いた点が新鮮で、罠の仕掛け方や獲物の処理まで丁寧に描かれています。2017年に1巻が刊行され、全9巻で完結しました。

『ゴールデンカムイ』(野田サトル/集英社)

明治末期の北海道を舞台に、元軍人の杉元佐一とアイヌの少女アシリパが、アイヌの埋蔵金をめぐって旅をする冒険マンガです。アシリパがウサギやシカを仕留めて解体し、料理して食べる場面は作品の名物になりました。狩猟と食を通じて、アイヌの文化や知恵を伝えている点も高く評価されています。

2014年から2022年まで「週刊ヤングジャンプ」で連載され、全31巻で完結しました。マンガ大賞2016と手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞し、シリーズ累計は3,000万部を超えています。実写映画の第2弾『網走監獄襲撃編』も2026年3月に公開されました。

アイヌ語をはじめ、読むうちに知識が身につくマンガをまとめた記事もあります。

『マタギ』(矢口高雄)

『釣りキチ三平』で知られる矢口高雄さんが、東北の山で狩りをして暮らすマタギたちを描いた作品です。1976年に日本漫画家協会賞の大賞を受賞しました。秋田の山村で育った矢口さんならではの、山の暮らしと獣への畏れがにじむ一冊で、800ページを超える文庫版でも読むことができます。狩猟マンガのルーツをたどるなら外せません。

『鷹の師匠、狩りのお時間です!』(ごまきち/星海社)

鉄砲や罠ではなく、鷹を使った「鷹狩り」の世界を描いた実録エッセイです。鷹との信頼関係を築きながら狩りに出る日々が、コミカルなタッチで描かれています。狩猟と聞いて想像する荒々しさとは違う、伝統技術としての狩りに触れられる作品です。

『マタギガンナー』(原作・藤本正二、作画・Juan Albarran/講談社)

こちらは少し変わり種です。元マタギの山野仁成が、山で鍛えた狙撃の腕を武器に、FPSゲームの世界大会に挑む物語です。実際の狩猟が主題ではありませんが、獲物の気配を読むマタギの技術がゲームの中で生きる設定が面白く、狩猟マンガの広がりを感じさせます。2022年から「モーニング」で連載され、全11巻で完結しました。

狩猟マンガ一覧

紹介した8作を一覧にまとめました。巻数は2026年10月時点の情報です。

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No.作品作者出版社巻数タイプ狩りの方法・獲物
1クマ撃ちの女安島薮太新潮社既刊17巻フィクション銃猟・エゾヒグマ
2漫画家、猟師になる前田治郎日本文芸社既刊1巻実録わな猟・銃猟
3山賊ダイアリー岡本健太郎講談社全7巻実録空気銃・罠・鳥獣
4罠ガール緑山のぶひろKADOKAWA全9巻フィクションわな猟・イノシシ、シカ
5ゴールデンカムイ野田サトル集英社全31巻フィクションアイヌの狩猟
6マタギ矢口高雄ヤマケイ文庫ほか文庫1冊フィクションマタギの狩猟
7鷹の師匠、狩りのお時間です!ごまきち星海社既刊2巻実録エッセイ鷹狩り
8マタギガンナー藤本正二・Juan Albarran講談社全11巻フィクション狙撃(FPSゲーム)

番組を観たら、まず1巻を手に取ってみる

「漫画クリスタル」の初回で狩猟マンガに興味を持った人は、まず番組で紹介された『クマ撃ちの女』か『漫画家、猟師になる』から読んでみてはいかがでしょうか。フィクションの緊張感を味わいたいなら前者、狩猟を始める人のリアルを知りたいなら後者がおすすめです。

実録の『山賊ダイアリー』や『罠ガール』を読むと、狩猟が特別な人だけのものではないことも分かります。読んだあとにジビエ料理の店に足を運んでみると、マンガで読んだ山の景色が少し身近に感じられるはずです。

テレビで話題のジャンルを、そのまま棚の特集に

マンガ紹介番組で特集されたジャンルは、放送をきっかけに「読んでみたい」と思う人が一気に増えます。狩猟マンガのように、普段はなかなか手に取られないニッチなジャンルほど、棚で特集を組んだときの発見の喜びは大きくなります。

とくに狩猟マンガは、山あいの温泉旅館やキャンプ場、ジビエを出す飲食店、道の駅など、自然や食に関わる施設と相性のよいテーマです。地域で実際に起きている獣害やジビエの話題とつながる作品を置けば、お客様との会話のきっかけにもなります。

スマートコミックは、施設のお客様の層やテーマに合わせてマンガを選び、レンタルでマンガコーナーをつくれるサービスです。番組や季節の話題に合わせた特集棚づくりにも対応しています。導入事例や料金プランは、以下のリンクからご覧ください。

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