井上雄彦『リアル』×NEW ERAコラボ第2弾が10月15日発売! GUCCIからユニクロ、ナイキまで、ファッションブランドがマンガと手を組む理由

井上雄彦さんのマンガ『リアル』と、キャップブランドのNEW ERA(ニューエラ)によるコラボアイテムの第2弾が、2026年10月15日に発売されます。4月に受注販売された第1弾のデザインを、より軽いかぶり心地の「9TWENTY」で出すもので、裏地には最新17巻の名場面がプリントされています。

ここ10年ほどで、マンガとファッションブランドのコラボはすっかりおなじみになりました。ハイブランドからストリート、ファストファッション、スポーツブランドまで、マンガのキャラクターが服や靴に登場しています。なぜブランドはマンガと組むのか。『リアル』のコラボを入口に、これまでの事例と背景をたどります。

目次

『リアル』×NEW ERA第2弾はどんなアイテムか

第2弾は「9TWENTY リアル」の3型で、カラーはブラック、ピンク、ホワイトです。正面にはキャラクターにゆかりのある番号(99、8、17)がオリジナルフォントで入り、裏地には17巻から選ばれたシーンが総柄でプリントされています。価格は各6,600円(税込)で、10月15日10時からNEW ERAの公式オンラインストア、ZOZOVILLA、一部の取扱店舗で販売されます。

9TWENTYは前面に芯が入っていない柔らかいつくりで、後ろのストラップでサイズを調整できます。4月の第1弾は、戸川清春、野宮朋美、高橋久信の3人をフィーチャーした「9THIRTY」のキャップ3種とTシャツ3種で、17巻の発売を記念してZOZOVILLA限定で受注販売されました。NEW ERAが井上雄彦さんの作品とコラボするのは、この第1弾が初めてでした。

『リアル』は車いすバスケを描いて27年

『リアル』は、1999年から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載されているマンガです。骨肉腫で片脚を失った元陸上選手の戸川、交通事故で同乗者に障害を負わせた野宮、事故で脊髄を損傷したバスケ部のキャプテン高橋の3人を軸に、車いすバスケットボールと、障害とともに生きる人たちの現実を描いています。

連載は長期の休載をはさみながら続いており、2024年8月に16巻、2026年4月17日に17巻が発売されました。シリーズ累計は電子版を含めて1,600万部を超えています。井上さんはリオデジャネイロのパラリンピックなどを現地で取材しており、作品の外でも車いすバスケとの関わりを続けてきました。

井上さんといえば、高校バスケを描いた『SLAM DUNK』と、宮本武蔵を描いた『バガボンド』も外せません。同じバスケを題材にしながら、『SLAM DUNK』の熱さと『リアル』の重さを読み比べると、作家の幅の広さがよく分かります。

ファッションブランド×マンガのコラボはどう広がってきたか

マンガとブランドのコラボは、昔からキャラクターグッズの延長として存在していました。ただ、2010年代以降は、ブランドの側が自分たちの本業の商品にマンガを取り込み、ファッションとして成立させる例が目立つようになります。主な事例を年代順に見ていきます。

2011年 NIKE×井上雄彦、マンガ家とスポーツブランドの協業

実は井上さんは、早くからスポーツブランドとのコラボを手がけてきたマンガ家です。2011年5月には、部活に打ち込む高校生を描いた井上さんのアートを使ったバスケットボールシューズ「NIKE AIR ZOOM BRAVE IV IT」が発売されました。2009年に出たNIKE HYPERIZEの限定版は、数時間で完売したと報じられています。

2014〜2019年 NEW ERA×ONE PIECE、周年に合わせたキャップ

NEW ERAは、マンガとのコラボを早くから手がけてきたブランドです。2014年にはアニメ『ONE PIECE』15周年を記念した9FIFTYキャップを発売し、2019年にはアニメ20周年に合わせて2,000個限定のリュックを出しました。作品の周年を節目にアイテムを出すという形は、いまも多くのコラボで使われています。

2017年 Supreme×AKIRA、ストリートの頂点が選んだマンガ

ストリートブランドの象徴であるSupremeは、2017年秋冬シーズンに大友克洋さんの『AKIRA』とのコラボを発表しました。大友さんの原画を大胆に使ったジャケットやTシャツは、2017年11月にアメリカ、イギリス、フランス、日本の店舗で発売され、世界中で話題になりました。大友さんはそれまで何度かオファーを断っていたと伝えられています。マンガが「ストリートで着るもの」として認められた節目の一つです。

2018〜2022年 ユニクロとGU、ファストファッションで誰でも手に取れる存在に

2018年には、ユニクロのUTが『週刊少年ジャンプ』の創刊50周年を記念したTシャツを発売しました。990円(税別)という価格で、人気マンガを身につけることが一気に身近になります。2022年にはGUが『呪術廻戦』とのコラボを発売し、Tシャツは990円で、キッズサイズもそろえました。こうした価格帯のコラボは、親子で同じ作品のTシャツを着るといった楽しみ方も広げています。

2021年 GUCCI×ドラえもん、ハイブランドがマンガと組む

2021年1月には、イタリアのGUCCIが『ドラえもん』とのコラボコレクションを世界で発売しました。GUCCIの創業100周年と、ドラえもんの連載開始から50周年が重なった企画で、小学館の女性誌3誌が付録で連動する仕掛けもありました。日本のマンガのキャラクターが、ラグジュアリーブランドの商品に堂々と登場した例として印象に残っています。

2026年 NIKE×ONE PIECE、そして『リアル』×NEW ERA

2026年9月には、NIKEが『ONE PIECE』の「悪魔の実」をテーマにしたエア マックス プラスなどのコレクションを世界で発売しました。NIKEの担当者は、悪魔の実を食べて超人的な力を得る設定を、シューズを履いたアスリートの感覚に重ねてコメントしています。そして10月には、『リアル』×NEW ERAの第2弾が登場します。題材やブランドの性格に合わせて、コラボの組み合わせはますます多様になってきました。

ブランドがマンガと手を組む3つの理由

1つ目の理由は、海外市場の大きさです。日本動画協会の「アニメ産業レポート2025」によると、2024年のアニメ産業市場は3兆8,407億円で過去最高となり、そのうち海外市場が56.5%を占めました。マンガやアニメのキャラクターは、いまや世界共通の言葉として通じる存在です。Supreme×AKIRAやNIKE×ONE PIECEが日本だけでなく世界各地で発売されたのも、その表れといえます。

2つ目は、世代をまたいで届くことです。矢野経済研究所の調査では、2025年度のキャラクタービジネス市場は2兆8,767億円と推計されており、周年をきっかけにした露出の増加や、90年代から2000年代初頭のカルチャーの再注目が追い風に挙げられています。連載から長い年月がたった作品は、当時の読者が大人になって購買力を持ち、さらにその子ども世代にも広がっていくため、ブランドにとって魅力的な相手になります。

3つ目は、作品の世界観がブランドの姿勢と重なることです。『リアル』×NEW ERAは、その好例といえます。スポーツの現場で生まれたキャップブランドが、車いすバスケに向き合う作品と組むことで、単なるキャラクター商品ではないメッセージ性が生まれています。キャップの裏地に名場面を入れ、かぶる人だけが作品を感じられるつくりも、作品へのリスペクトが伝わる工夫です。

ファッションブランド×マンガのコラボ年表

ここまで紹介した主なコラボを一覧にまとめました。

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No.年ブランド作品分類内容
12011年NIKE井上雄彦作品スポーツバスケットボールシューズ
22014年NEW ERAONE PIECEストリートアニメ15周年記念の9FIFTYキャップ
32017年SupremeAKIRAストリート原画を使ったアパレル
42018年ユニクロ(UT)週刊少年ジャンプ作品ファスト創刊50周年記念Tシャツ
52019年NEW ERAONE PIECEストリートアニメ20周年記念リュック(2,000個限定)
62021年GUCCIドラえもんハイブランド創業100年×連載50周年のコレクション
72022年GU呪術廻戦ファストTシャツ(キッズサイズあり)
82026年4月NEW ERAリアルストリート第1弾 9THIRTYキャップ・Tシャツ
92026年9月NIKEONE PIECEスポーツ悪魔の実がテーマのスニーカー
102026年10月NEW ERAリアルストリート第2弾 9TWENTYキャップ

キャップを手に取る前に、17巻まで読み返したい

『リアル』×NEW ERAのキャップは、裏地に17巻の場面が入っているので、物語を読んでいるかどうかで愛着が大きく変わるアイテムです。戸川、野宮、高橋の3人がそれぞれどこまで来たのか、1巻から17巻までを一気に読み返すと、番号の意味もぐっと重く感じられるはずです。

また、井上さんのバスケマンガとして『THE FIRST SLAM DUNK』の再上映も2027年3月に予定されています。映画館で『SLAM DUNK』を観て、マンガで『リアル』を読む。そんな秋冬の過ごし方もおすすめです。

若い世代が「身につける」作品を、棚にも並べる

ファッションブランドとのコラボで作品を知った若い世代は、キャップやTシャツをきっかけに原作へと興味を広げていきます。身につけるほど好きな作品が施設の棚にあれば、それだけで「ここに来たい」と思う理由になります。

とくに『リアル』や『SLAM DUNK』のようなスポーツマンガは、ジムやフィットネス施設、スポーツ観戦のできる飲食店、学生の多い施設などと相性がよいジャンルです。ファッションやスポーツの話題とつながる作品を置くことで、マンガコーナーが会話の生まれる場所にもなります。

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