2026 FIFAワールドカップ 北中米大会 日本はグループF!サッカーの今がわかる漫画4選

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この40年で大きく進化した日本サッカー

日本がはじめてFIFAワールドカップ予選へ参加したのは、今から72年前の1954年スイス大会予選。この時は、韓国と2試合戦い、1敗1分で予選敗退でした。

その後のワールドカップ予選でも、アジアの壁に阻まれて敗退が続く中、86年メキシコ大会予選と94年アメリカ大会予選で最終予選進出を決めました。

しかし、86年大会は韓国に、94年大会はドーハの悲劇によって阻まれ初出場の夢は叶いませんでした。これらのできごとを経て、98年フランス大会ではついに初出場。その後は、開催国枠で出場した2002年日韓大会を含めて8大会連続8回目の出場を決めています。

さて、23回目となる2026 FIFAワールドカップ 北中米大会は、史上初となる3か国共催です(アメリカ合衆国・メキシコ・カナダ)。2026年6月12日にメキシコのメキシコシティで行われるメキシコ – 南アフリカ戦で開幕して、決勝戦は2026年7月20日にアメリカ・ニューヨーク(日程はいずれも日本時間)。会期は39日間・全104試合が行われます。

サムライブルーこと日本代表は、下記3ヶ国と同じグループFに入りました。

オランダ(FIFAランキング7位)

チュニジア(同44位)

スウェーデン(同38位)

6月15日の初戦ではオランダ、21日の2戦目はチュニジア、最終戦は26日にスウェーデンと対戦します。

初出場当時の日本代表は、全員がJリーグでプレーする選手でした。そこから28年経った今は、本大会に出場登録された23人のうち20人が海外のクラブチームに所属。

ワールドカップ出場が夢のまた夢だった時代を知っている世代から見ると、本当に夢のような感覚でしょう。 そこで、今回は【サッカーの今がわかる漫画】をテーマに、日本におけるサッカーの普及に寄与した『キャプテン翼』をはじめ、4作品をピックアップして紹介します。

サッカーの名作漫画4選

『キャプテン翼』シリーズ(高橋陽一/1981年~)

主人公は「ボールはともだち」が信条の、天才サッカー少年の大空翼。類まれなサッカーセンスを持つ少年です。物語は小学6年生になる前、サッカーが盛んな街である静岡県南葛市に一家で引っ越してくるところからスタート。

シリーズ第1作の『キャプテン翼』に明確な章立てはないものの、小学生編・中学校編では全国大会での、ジュニアユース編では国際ジュニアユース大会に招待された日本の戦いを展開、中学校卒業後にブラジルへわたるまでが描かれ、1988年で連載が終了しました。

その後はワールドユース編、ROAD TO 2002、ライジングサンなど、7編のエピソードが描かれ、現在は『キャプテン翼 ライジングサン FINALS』をネーム連載中です。

短編や翼以外の登場人物にスポットを当てたスピンオフ作品も出ており、翻訳版を含むシリーズ全体の発行部数は、9000万部以上を記録しています。

連載開始当時の1981年頃は、まだアマチュアスポーツのひとつでしかなく、マイナー競技だったサッカー。日本におけるサッカーの普及と競技人口の増加、競技力の向上に大きな影響を及ぼしました。 日本では中田英寿氏や川口能活氏、小野伸二氏。海外ではブラジル代表のネイマール選手や元フランス代表のジネディーヌ・ジダン氏、元スペイン代表でヴィッセル神戸でもプレーしたアンドレス・イニエスタ氏など多くの世界的スター選手が、本作の影響を受けたと公言しています。

『イレブン』(原作:七三太朗、作画:高橋広/1985~2000年)

元サッカー日本代表選手の青葉洋介を父に持つ少年・青葉茂が主人公。

幼少期に南米遠征中の事故で帰らぬ人になっていた父の青葉洋介は、サッカーの練習ノートを遺していて、茂はそこに書かれていた「中学卒業までに高校生にも負けない走力を身につけること」という教えを守り、中学校では陸上に専念。

その後、進学した県立武蔵台高校で念願だったサッカーを始めます。 最初は無名の選手だった茂が、持ち前の努力とストイックさで急成長を遂げ、高校サッカーからユース日本代表、海外留学(ブラジル・アフリカ)、プロ入り(Jリーグ)、ワールドカップ出場へとステップを踏んで成長していくプロセスを描いた物語です。

『サッカーの憂鬱​ 裏方イレブン』(能田達規/2010~2013年)

サッカーのクラブチームや代表チームでは、たしかに選手がもっとも注目されます。しかし、チームがあるのは影で支えてくれている、いわゆる「裏方」と呼ばれる人たちのおかげです。

たとえば、クラブチームを支えているのは運営会社の社長や広報担当者、日々汗を流してスポンサーを獲得する営業社員がいます。そして、現場で支えているのは、フィジカルコーチやターフキーパー(芝管理人)、ホペイロ(用具係)、ユースコーチ、通訳、いつも試合上で応援してくれるサポーターなどです。

その他、故障時に治療して復帰計画を立ててくれるチームドクター、マスコミであれば実況アナウンサーやスポーツカメラマン、試合で判定を下す審判、選手として帯同する第3ゴールキーパーなど裏から支える職種は、さまざまあります。

本作は、華やかな舞台の裏で働く職員たちの情熱や葛藤などにスポットを当て、普段は目に見える機会の少ないサッカーにまつわる仕事の側面を描いた漫画です。

『GIANT KILLING』(原案・取材協力:綱本将也、作画:ツジトモ/2007年~)

主人公は、かつて日本代表でETUのスター選手だった達海猛。

達海の在籍時、ETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)は、リーグジャパンフットボールリーグ1部所属のプロサッカーチームで、ファンからも高い人気があるチームでした。しかし、達海がプレミアリーグに移籍すると一気に低迷し、チームは2部に降格。本人はプレミアリーグ開幕戦で再起不能の重傷を負ってそのまま引退、消息を絶ちます。

クラブ総出で行方を探すと、イギリスのとあるアマチュアクラブで指導者をしていることがわかりました。彼が指導するチームは、なみいるプロチームを倒してベスト32まで進出後、ベスト16戦で敗退しました。

その後、ETU幹部が改めて達海に監督のオファーを出した結果、前所属クラブオーナーの同意もあって、10年ぶりにETUに監督として帰ってくることになったのです。

かつてのチーム離脱の経緯からサポーターは達海を恨んでいて、その突飛な方針から一部選手からは反発を受けるものの、結果を残すことで少しずつチームを取り巻く環境が変化していきます。

本作は、主人公の移籍以降は昇降格を繰り返す弱小クラブになっていた「ETU」が、ジャイアントキリング(番狂わせ)を起こすべく、冷静沈着な指揮官・達海猛の下、組織力と戦略を武器に格上の強豪クラブに次々と勝ち、それによって選手・スタッフ・サポーターが一体となって成長していくさまを、リアルな戦術描写とともに描いた物語です。

4作品から学べるポイント

『キャプテン翼』『イレブン』は選手、『サッカーの憂鬱​ 裏方イレブン』はチームを支える裏方、『GIANT KILLING』は監督を視点として物語が展開します。

『キャプテン翼』は、主人公である大空翼の「ボールはともだち」という名言に代表されるように、サッカーへかける情熱と仲間・ライバルとの熱い絆がその魅力です。

何よりも大きいのは、作品全体のテーマである「日本をワールドカップで優勝させる」という言葉。連載がはじまった1981年はアジアの壁に阻まれていた時期で、ワールドカップ予選通過は夢のまた夢でした。

その中で、この言葉を表に出したことこそが最大の功績といえます。現実に、日本サッカー協会が2005年に掲げた「JFAの約束2050」にて、2050年のワールドカップ優勝を目標に掲げているので、ようやく現実が漫画に追いついた形です。

『イレブン』では、「サッカーでは50メートル走のスピードより、10メートルダッシュにおける瞬発力が要求される」などサッカーに求められる走力の基準や、なかなかわかりにくいサッカーのルールを解説しています。

本作のテーマは、父親が遺したノートに書かれた練習内容に文句を言わずに取り組み、高校、ユース、海外留学、プロ、いずれでも一番下からのスタートながら、その練習熱心さから周囲に慕われ、いつの間にか輪の中心になっている茂の成長です。

その姿から、諦めずに競技へ取り組むことの大切さがわかります。

選手視点で描かれた2作は、日本国内の戦いからユース(ジュニアユース、ワールドユース)へと続き、プロ、そして海外の強豪との戦いへ続き、世界へと広がるスケール感が壮大です。

『サッカーの憂鬱​ 裏方イレブン』は、タイトルのとおりさまざまあるサッカーの周辺にある裏方の職業にまつわる人間ドラマが主なテーマ。

「第3ゴールキーパー」であれば事前準備に関する心構え、スポーツカメラマンであればそう多くないシャッターチャンスを狙う苦労について、審判であれば正確に判定することの難しさはもちろん、ひとつの判定で選手だけでなくサポーターにまで文句を言われる難しさが描かれています。

本作を読むことで、サッカーに関する視野が広がりピッチ外での働きにも注目できるでしょう。

『GIANT KILLING』は、かつての天才プレーヤーだった達海猛が監督として、古巣へ帰るところから話がはじまる物語です。

当初は1部と2部を行ったり来たりするチーム状況だったので、チームはすっかり弱体化。そのため、監督と選手だけでなく、選手同士でのベテラン若手間での摩擦、経営陣と監督の摩擦、サポーターとフロントとの衝突など、クラブ経営にまつわるリアルな問題や葛藤がテーマにあります。 その中で、チームが強くなることを疑わず、優勝を目指していた監督が戦術やメンタル面からアプローチして、チームを乗せて強くする過程をしっかりと取材したうえで、漫画として描いている点が見どころといえるでしょう。

まとめ - アジア最強と呼ばれるまでになった日本

FIFAランクが公開されたのは1992年。Jリーグ(現在のJ1・J2・J3)開幕を翌年に控えた時期と重なります。日本代表のランキングは、当時66位でした。

一時期Aマッチで結果を残せないなど低迷もあったものの、2010年代後半からは日本・イラン・韓国・オーストラリアによる4強でアジアトップを争い、2019年以降はコツコツとランキングを上げてきました。

グループリーグでドイツとスペインに勝利した、22年のカタール大会以降は20位台をキープ。2026年4月1日時点では、18位と堂々のアジアトップ。現在はトップ10入りを目指しているところです。

80年代はまだマイナースポーツのひとつにしかすぎなかったサッカーが、人気スポーツへとのぼりつめた要因として、『キャプテン翼』など漫画の果たした役割は大きかったのではないでしょうか。 漫画には想像力を大きく膨らませてくれる効果があります。今回紹介した4作に限らず、名作のサッカー漫画はたくさんあるので、ぜひ手に取ってサッカーの魅力を感じてみませんか?

(執筆: なつめれいな)

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