「佐賀キングダム空港」延長決定! 2週間で2.4万人が殺到した”建国劇”、ファンの声で4月以降も続行へ

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2.4万人の熱狂が、会期を延ばした。佐賀に灯った火は、まだ消えない

1月27日の「開戦」から約2か月。佐賀県全域を『キングダム』一色に染め上げた超大型コラボ「キングダム ×(駆ける)佐賀県 〜佐賀の火を絶やすでないぞォ。〜」が、当初の会期(3月29日まで)を超え、4月以降も継続されることが正式に発表されました。多くのファンから届いた「まだ終わらせないでほしい」という声が、この決定を後押ししています。

九州佐賀国際空港に期間限定で冠された「佐賀キングダム空港」の特別展は、開始からわずか2週間で来場者2.4万人を突破。その後も勢いは衰えることなく、県内外から多くのファンが佐賀の地を訪れ続けました。延長後の具体的な期間や施策の詳細は近日中に改めて発表される予定です。

たった2週間で2.4万人。「空港が観光地になる」という異常事態

地方空港は通常、旅の「通過点」です。飛行機に乗るために来て、降りたら去る場所。しかし佐賀キングダム空港では、空港そのものが「目的地」になるという逆転現象が起きました。

空港ビル3階のスペースパークで開催された特別展「受け継がれる火」には、複製原画34点がずらりと並び、入場は無料。ガラス面や階段など館内の至るところに英傑たちが描かれ、スタッフは専用のピンバッジを着用。まるで空港全体が一つの「城」になったかのような没入感が、リピーターを生み続けたのです。

さらに話題を呼んだのが、白磁の人間国宝・故 井上萬二氏の孫にあたる三代目・井上祐希氏による有田焼コラボ作品の展示。5キャラクター各20枚、計100枚限定の大皿(各27,500円)は抽選販売となるほどの反響でした。

「火を絶やすでないぞ」——フィクションが現実を貫いた瞬間

今回のコラボで、筆者がもっとも心を動かされたのは、有田焼コラボの裏にあるもう一つの「継承」の物語です。

井上祐希氏は、人間国宝の祖父と、その技を受け継ぐはずだった父を相次いで亡くしています。窯の火が絶えかけた孤独のなかで、今回のコラボテーマ「佐賀の火を絶やすでないぞォ。」という言葉に触れた井上氏は、こう語りました。

「自分一人になって火が消えそうと感じていた時期に、”火を絶やすでないぞ”というメッセージをもらった気がした」

『キングダム』の物語の核にある「思いの火を次代へ受け継ぐ」というテーマが、佐賀の伝統工芸の現実と、これほど痛切に重なる場所は他にありません。白磁の上に井上氏独自の「飛沫(しぶき)」技法で描かれた武将たちは、フィクションと現実の「火」が一枚の皿の上で交差した、唯一無二の作品でした。

読破堤、古湯温泉——「佐賀でしかできない体験」が人を動かした

空港だけではありません。有明海沿いの「干潟よか公園」防波堤に出現した「キングダム読破堤(どくはてい)」は、全長300メートル超にわたってコミックス1〜77巻の全ページを掲出するという前代未聞の試みでした。潮風を浴びながら、自分の足で20年分の物語を辿る。しかも観覧は無料。

そして過激な戦闘シーンを「佐賀海苔」で隠すあの遊び心は、SNSで大きな話題に。残酷さへの配慮を、地元の誇りとユーモアに変換してしまうセンスは、サガプライズ!ならではです(なお、堤防周辺に街灯はないため、日没前の来訪をおすすめします)。

始皇帝の命で徐福が不老不死の霊薬を求めて辿り着いたという伝説が残る古湯温泉でも、宿泊や1,500円以上の利用でオリジナルグッズが当たるキャンペーンが実施されました。王騎の入浴オリジナル手ぬぐいなど、ここでしか手に入らないアイテムが温泉街に足を運ぶ動機となりました。

サガプライズ!第43弾——「また佐賀がやっている」の系譜

振り返れば、佐賀県の情報発信プロジェクト「サガプライズ!」は、2013年の始動以来、『ロマンシング サ・ガ』『スプラトゥーン』『おそ松さん』『ユーリ!!! on ICE』『ストリートファイターII』など、攻めたコラボを重ねてきました。「また佐賀県が何かやっている」——そう言われること自体がブランドになるほど、地方自治体のIPコラボの先駆者です。

その第43弾にして、「好評により期間延長」という結果を勝ち取った今回の『キングダム』コラボ。空港の名称を変え、防波堤を巨大コミックスにし、人間国宝の系譜とマンガのテーマを重ね合わせる。そのどれもが「他の県では絶対に思いつかないし、思いついても実行できない」と感じさせる、佐賀ならではの胆力でした。

火は、まだ燃えている

「延長してほしい」というファンの声は、考えてみれば、今回のコラボテーマそのものです。

「佐賀の火を絶やすでないぞォ。」

原泰久先生が生み出した物語の熱が、故郷の空港を変え、防波堤を変え、伝統工芸の未来を照らし、そしてファンの声となって会期すら動かした。作品のテーマが現実を変えてしまう——これこそがマンガという文化の底力ではないでしょうか。

延長後の詳細はまだ発表されていませんが、まだ訪れていない方は、ぜひこの機会を逃さないでください。防波堤の上で潮風に吹かれながらページをめくる体験も、空港で有田焼の白磁に宿る「飛沫」を目撃する体験も、いつまでもそこにあるとは限らないのですから。

物語の火は、まだ燃えています。

個人の皆様へ。物語の世界に飛び込む至福

佐賀への旅が難しい方や、まだ作品を読んだことがない方は、この機会に全巻セットをご自宅に迎えてみてはいかがでしょうか。

施設運営者の皆様へ。おもてなしの付加価値を創造する

今回の佐賀の事例が示すように、作品の力は場所の価値を劇的に変えます。温泉、ホテル、カフェ——あらゆる空間で、マンガは最高のおもてなしになり得ます。

【佐賀県×キングダム「佐賀キングダム」プロジェクト概要】

  • 開催期間: 2026年1月27日(火)〜3月29日(日)
          4月以降も継続決定(詳細は近日発表)
  • 佐賀キングダム空港(九州佐賀国際空港): 館内装飾、特別展「受け継がれる火」、井上祐希さんによる有田焼作品展示、限定ステッカー配布(1,000円以上利用時)
  • キングダム読破堤(干潟よか公園 防波堤): コミックス1〜77巻の全ページを掲出(無料)
  • 古湯温泉プレゼントキャンペーン: 対象施設での宿泊や1,500円(税込)以上の利用でオリジナルグッズ抽選(3月29日まで)

詳細は公式サイトへ 佐賀県×キングダム公式特設サイト「佐賀キングダム」

続報を待ちましょう!

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