1試合2本塁打&4敬遠──WSで記録を塗り替えた大谷翔平が『何十回も読んだ』マンガ

大谷翔平の「何十回も読んだ」マンガ
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いま、話題のこの人物に注目

日本時間2025年10月28日(火)、ドジャースタジアム。ワールドシリーズ第3戦で、大谷翔平は野球史に新たな1ページを刻みました。全9打席出塁——ポストシーズン史上初の偉業。1試合4長打は119年ぶり、1試合4敬遠は史上初、そして2本の本塁打。記録を挙げればキリがないほどの圧倒的パフォーマンスです。

2023年オフにMLB史上最高額となる10年7億ドルで契約した「二刀流」のスーパースター。その規格外の強さは、一体どこから生まれたのか。実は大谷選手の原点には、意外にも「何十回も読んだ」と語る一冊のバスケマンガがありました。

大谷翔平ってどんな人?

1994年岩手県生まれ。花巻東高校から2013年に日本ハムに入団し、投打の「リアル二刀流」として前人未到の領域を切り拓いてきました。2018年にエンゼルス移籍後、メジャーでも投打で圧倒的な成績を残し、2021年と2023年、2024年にMVPを獲得。2023年にはWBC日本代表として優勝に導き、大会MVPに輝きました。

同年オフには、ドジャースとMLB史上最高額となる10年7億ドル(約1065億円)で契約。2024年シーズンは本塁打王を獲得し、ワールドシリーズでも記録を次々と塗り替えています。

実は大谷選手には、遠征の長いフライトや移動の隙間に必ずマンガを読むというルーティンがあります。物語に没入することで緊張をほどき、次の勝負に向けて心身を再充電する——。競技と物語が地続きにある、それが大谷翔平というアスリートです。

大谷翔平とラーズ・ヌートバーのサイン
大谷翔平選手とラーズ・ヌートバー選手のサイン色紙の写真(弊社取締役の家宝)
サインをいただいたときの応対が、お二人とも、とってもナイスでしたとのことです。

大谷選手が夢中になったマンガ

『SLAM DUNK』(井上雄彦)1990年~1996年

▼作品の基本情報・あらすじ

1990年から1996年まで『週刊少年ジャンプ』で連載された高校バスケットボール漫画。不良少年・桜木花木が、天才・流川楓やチームメイトとともに、挫折と成長を繰り返しながら全国制覇を目指す物語。努力、才能、チームワークが交差する青春群像劇です。

▼大谷選手は以前にこう語っていた

インタビューメディア「Real Sports」で、大谷選手は『SLAM DUNK』を「何十回も読んだ」と語っています。好きなキャラクターとして挙げたのは、天才的なプレーメーカー・仙道彰。そして共感する人物として挙げたのが、地道なシュート練習を2万本積み重ねた努力家・神宗一郎でした。

▼このマンガが大谷選手に与えた影響とは?

大谷選手が選んだ二人のキャラクター——仙道と神——は、まさに『SLAM DUNK』という作品が描く深いメッセージを象徴する存在です。

仙道彰は、冷静な状況判断と天性の勝負勘で試合の流れを読み、チームを勝利に導くプレーメーカー。彼のプレーには、計算ではなく「勝負を楽しむ」という純粋さがあります。一方の神宗一郎は、派手さはないものの、誰よりも練習を重ね、シュート2万本という途方もない反復練習で技術を磨き上げた選手。地道な努力の積み重ねが、チームの勝利を支えます。

『SLAM DUNK』が多くの人の「人生のバイブル」と呼ばれる理由は、バスケットボールという競技を超えて、人生そのものに通じる普遍的なメッセージを描いているからです。赤木剛憲が1年生の時から掲げた「全国制覇」という根拠のない目標が、やがて仲間を集め現実味を帯びていく過程。桜木花道が山王工業戦で背中を負傷しながらも「オレは今なんだよ!」と叫び、”今”この瞬間に全力を注ぐ覚悟。そして安西先生の「あきらめたらそこで試合終了だよ」という言葉——。

この作品が一貫して描いているのは、「才能も努力も、どちらも大切なものだ」というメッセージです。流川の天才性、三井の挫折と努力、桜木の成長。異なる個性が一つのチームとして化学反応を起こす物語は、どちらか一方だけでは到達できない高みがあることを教えてくれます。

もしかしたら、大谷選手が「何十回も読んだ」この作品から、「才能も努力も、それぞれに価値がある」という哲学を学び、それが「二刀流」という前人未到の挑戦を支える原動力になったのかもしれません。

『SLAM DUNK』の魅力

『SLAM DUNK』の魅力は、バスケットボールを知らない人でも心を動かされる「本気で何かに取り組む姿」にあります。天才の流川、努力家の三井、初心者の桜木——異なる個性が一つのチームとして化学反応を起こし、成長していく過程は、スポーツの枠を超えた普遍的な感動を与えてくれます。

才能と努力、個人とチーム、挫折と再起——。人生のあらゆる場面で直面するテーマが、この作品には詰まっています。大谷選手が「何十回も読んだ」と語るのも納得の、何度読んでも新しい発見がある名作です。

SLAM DUNKの全巻セットはこちら

愛読マンガから見えてくる大谷選手の人物像

大谷選手が『SLAM DUNK』の中で、天才・仙道彰と努力家・神宗一郎の両方に惹かれたというエピソードからは、彼の根底にある「才能と努力、その両方を大切にする姿勢」が見えてきます。

ワールドシリーズ第3戦。全9打席出塁、2本塁打、1試合4長打——119年ぶりの偉業を達成した大谷選手の姿は、まさに仙道彰のような「ここぞという場面での爆発力」そのものです。勝負どころで結果を出す天才的な勝負勘は、多くの人を魅了します。

しかし、その裏側には、神宗一郎がシュート2万本を打ち続けたような、地道なルーティンの積み重ねがあります。毎日8〜9時間の睡眠確保、栄養バランスを徹底した食事管理、入念な体幹トレーニング——。二刀流というスタイルは、才能だけでも、努力だけでも成立しません。才能を理解しながら、日々の努力を怠らない——。その両立があって初めて実現できる領域です。

高校時代、大谷選手は「マンダラチャート」を用いて明確な目標を設定し、それを実現するための道筋を逆算して描きました。これは、『SLAM DUNK』の赤木剛憲が1年生の時から「全国制覇」という誰も信じなかった大きな目標を掲げ、そこから逆算して必要な仲間、必要な練習、必要な覚悟を積み重ね、ついにその目標に根拠を与えていった姿勢と重なります。まず大きな目標を設定する。そしてそれを実現するために何が必要かを考え、行動し続ける——。その姿勢こそが、不可能を可能に変える力なのかもしれません。

花巻東高校時代に160km/hを投げた天才的な才能溢れる投手でありながら、栗山英樹監督に口説かれて入団した日本ハムで二刀流の可能性を信じて地道な練習を積み重ね、メジャーでMVP3度、そして史上最高額7億ドルの契約——。大谷翔平選手の歩みを振り返ると、「才能」だけでも「努力」だけでも到達できなかった場所に立っていることが分かります。

若き日に「何十回も読んだ」バスケマンガは、彼に「才能も努力も、どちらも大切にする生き方」を教えてくれたのではないでしょうか。

まとめ – 大谷翔平の”二刀流”を知ると、『SLAM DUNK』がより深く読める –

2本塁打を放ち、4度も敬遠される——。ワールドシリーズ第3戦で記録を塗り替えた大谷翔平選手が、「何十回も読んだ」と語る一冊の『SLAM DUNK』。

「才能も努力も、どちらも大切なものだ」。このバスケマンガが描くこのメッセージは、もしかしたら、投手と打者という二つの道を同時に極めるという前人未到の挑戦を支えているのかもしれません。

大谷選手の二刀流の軌跡を知った上で『SLAM DUNK』を読めば、仙道の勝負勘も、神の努力も、より深く心に響くはずです。そして逆に、『SLAM DUNK』を読み返した後に大谷選手のプレーを見れば、彼が何を大切にしているのかが、より鮮明に見えてくるかもしれません。

あなたも、史上最高の二刀流選手が「何十回も読んだ」この一冊から、新しい景色を感じてみませんか?

【補足情報】大谷翔平の愛読マンガ〜SLAM DUNK以外の作品〜

『呪術廻戦』(芥見下々)

人の負の感情から生まれる呪霊と、それを祓う呪術師たちの戦いを描くダークファンタジー。2021年、大谷選手は打席登場曲としてアニメED「LOST IN PARADISE feat. AKLO」(ALI)を採用。試合前のメンタルを整える”儀式”として、マンガ・アニメの世界を活用していたことがうかがえます。

呪術廻戦の全巻セットはこちら

『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦)

2025年4月、大谷選手のInstagramストーリーに『ジョジョ』関連の投稿が登場し、国内外メディアやMLB公式アカウントも反応。長年愛されるバトル漫画の金字塔であり、独特のスタンド能力や名言の数々で知られる作品です。大谷選手も、この作品の世界観を楽しんでいることがうかがえます。

ジョジョの奇妙な冒険の全巻セットはこちら

【関連情報】2024年「ジャンプスポーツ漫画賞」審査員就任

大谷選手は、2024年に「ジャンプスポーツ漫画賞」の審査員を務めました。井上雄彦先生(『SLAM DUNK』)、稲垣理一郎先生(『アイシールド21』)、藤巻忠俊先生(『黒子のバスケ』)と並んでの審査員就任は、大きな話題となりました。スポーツマンガへの深い愛情と理解が、この大役につながったのかもしれません。

SLAM DUNKの全巻セットはこちら

アイシールド21の全巻セットはこちら

黒子のバスケの全巻セットはこちら

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