「母の日」に感謝をこめて! 母親との向き合い方を教えてくれる漫画3選

母の日に感謝を込めて!母親との向き合い方を教えてくれる漫画3選
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母親に感謝の気持ちを贈る「母の日」

毎年、5月の第2日曜日は「母の日」。お母さんに日頃の感謝を伝える記念日です。

「母の日」の由来は諸説ありますが、よく知られているのは、20世紀初頭のアメリカでアンナ・ジャービスという女性が南北戦争の際に兵士たちの救援活動を行った母アン・ジャービスの追悼式で参加者に白いカーネーションを配ったこと。この親を思う娘の行いが、母親にカーネーションを贈るしきたりへとつながったといわれています。

そして、日本に「母の日」が伝わってきたのは、明治時代。キリスト教関係者を通じて普及していきました。昭和時代に香淳皇后の誕生日を母の日とする動きもあったものの、やがてアメリカと同じく5月の第2日曜日が母の日となり、お母さんに贈るプレゼントとして赤いカーネーションが定番となっていきました。

子どもが生まれたときから誰よりも近くにいる母親。子を愛して大きな支えとなってくれる一方、そばにいるからこそ子どもが母との関係で悩むこともあるといえます。育ててくれて感謝しているけれど、近すぎて煩わしいときもある……そんな思いを感じる人は少なくないのではないでしょうか。

そこで、今回は5月の「母の日」によせて、母親の大きさ、母と子の葛藤などを描いた漫画作品をご紹介したいと思います。

母親との向き合い方を教えてくれる漫画3選

■『サムライカアサン』(板羽皆/2005年~2011年)

まず紹介するのは、明るくパワフルなオカンの物語。家族をこよなく愛する主婦・伊佐木よい子と一人息子・たけしの日常を描くドタバタギャグコメディで、2021年には城島茂さんが女装でオカンに扮した実写ドラマも放映されました。

いつも元気で家族愛がほとばしって暴走しがちなよい子。色々と失敗することもありますが、転んでもただでは起きず、凹んでもまた立ち直って、息子や夫のためにはりきる肝っ玉母さんを貫きます。ハチャメチャなときもあるけどこんなオカンがいたら絶対毎日楽しい。よい子のパワーと優しさが読んでいる人の心にとにかく刺さるハートウォーミングな作品です。

■『まんまるポタジェ』(あいざわ遥/2015年~2019年)

続いては、若い母親の成長ストーリー。キャリアウーマンとして働くうちに過労で倒れて入院した主人公・塔子が退院を機に田舎町に引っ越し、家族でカフェ経営と野菜作りに励みながら娘・ハナとも向き合っていく物語です。

忙しすぎてともに過ごす時間が少なかったために、ハナとうまく接することができない塔子と構ってもらえなかった寂しさゆえか塔子の前で素直になれないハナ。それでも、引っ越した家に作ったポタジェ(花と野菜を育てる家庭菜園)の世話をしながら二人は少しずつ親子らしくなっていきます。失敗を繰り返しながらも家族と向き合っていく塔子を応援したくなるとともに、田舎暮らしに奮闘する仲のいい家族、特にハナの愛らしさにほっこりする癒しに満ちた作品です。

■『おかあさんとごいっしょ』(逢坂みえこ/2014年~2015年)

最後に紹介するのは、大人の女性たちが母親と向き合う物語。今日子、加代、梨奈の3人の主人公がおのおのの母親との関係に葛藤する姿を描く作品です。

完璧な母親が世話を焼いてくるのがときに煙たい今日子。高齢の母との同居に疲れて不倫の恋に逃避する加代。そして、調子のよい弟を甘やかす母に憤りを覚えつつもほっておけない梨奈。いずれも母親を嫌いになれない一方母の態度が我慢ならないときもある、愛情と苛立ちの狭間で苦しむ女性たちです。大好きだしときに頼りたい、でも、大嫌いで顔も見たくないときもある。そんな母と娘の間の複雑な心情が自然かつリアルに描き出されたほろ苦くも心に響く作品です。

3つの漫画に映し出される“母親”の姿

改めて、3作品の中で描かれている“母親”の姿を見ていきましょう。

『サムライカアサン』のよい子は明るく面白くて優しい、ある意味理想の母親といえます。息子のたけしにガールフレンドができたと知るや色々知りたがったり、たけしがバイトする店に何度も通ってきたりと、やりすぎて息子を怒らせることもありますが、彼女の行動の源にあるのは家族への深い愛。よい子の包容力があるからこそ伊佐木家は皆仲がよく、たけしも煙たがりつつ心の奥ではよい子を慕っています。母親の大きさが家族円満のエネルギーになりうるのだと、改めて教えてくれる作品です。

一方、『まんまるポタジェ』の主人公・塔子は子どもへの接し方に戸惑う不器用な母親。特に最初のうちは野菜が食べられず虫も苦手なせいで、娘のハナが差し出した虫つきの野菜を拒んで傷つけてしまう瞬間も見られました。とはいえ、親子の二人。お互いを思う気持ちはちゃんと胸の奥にあり、一緒にいる時間が増える中で改めてわかりあっていきます。塔子とハナの姿から伝わってくるのは、母親になるのは簡単ではなく、また、母親とは最初から完璧な母では決してないということ。塔子が親として成長していくプロセスが本作では丁寧に描かれています。

そして、『おかあさんとごいっしょ』が描き出すのは、一見どこにでもいるようで、実はひとクセふたクセある母親の姿。主人公3人の母たちはそれぞれ娘に干渉してきたりわがままを言ったりして困らせますが、その一方で家族への愛情や信頼を見せることもあります。子どもが心配だからこそ踏み込んでしまうし、一番近い存在だからこそ甘えてしまう……そんな母親のよくも悪くもの人間らしさが本作からはほとばしるほど伝わってくるのです。

まとめ ―― 母親として生きることは、大変なこと

子を思う母親の愛情はとても尊いもの。しかし同時に、母親になること、そして、母親として生きることはとても大変なことでもあります。

今回紹介した3作品を通して、子どもと向き合うお母さんの苦労や悩みを知ったり家族を思う愛情の深さを感じたりできる瞬間がきっとあると思います。お母さんの前で素直になれない、関係に悩んでいる……といった方は、関わるヒントを見つけるつもりで読んでみてください。そして、年に一度の「母の日」に、日頃なかなか表しづらい感謝の気持ちを伝えてみるのも良いのではないでしょうか。

(執筆: 田下愛)

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