『THE FIRST SLAM DUNK』が8月29日・30日に都立明治公園で無料野外上映! 河川敷の100人から中野の1万人まで、公園でアニメ映画を観る夏の夜が定番になってきた

映画『THE FIRST SLAM DUNK』の野外上映が、2026年8月29日(土)と30日(日)の2日間、都立明治公園で開かれます。上映は19時からで参加費は無料、芝生エリアの開場は18時です。当日は12時から公園でバスケットボールを楽しめる「バスケエンニチ」も同時開催され、公式Xは「2026年夏休み最後の思い出に」と呼びかけています。発表直後からXには「これは熱い」「屋外で無料だって」と期待の声が並びました。

原作『SLAM DUNK』(井上雄彦/集英社)は1990年から1996年まで「週刊少年ジャンプ」で連載された高校バスケ漫画で、国内のシリーズ累計発行部数は1億2,000万部以上にのぼります。井上さん自身が脚本と監督を務めた『THE FIRST SLAM DUNK』は2022年12月3日に公開され、復活上映を含めた興行収入158.7億円で2023年の年間興行収入1位となりました。

これほどの大ヒット作が、公園の芝生で無料で観られる。少し前なら考えにくかったことですが、いま東京の夏には、公園や街の広場でアニメ映画を観るイベントが毎週のように開かれています。この「公園で映画」はいつから広がり、どんな作品が選ばれてきたのでしょうか。主な事例を集めてみると、野外上映が夏の夜の定番になりつつある背景が見えてきました。

目次

そもそも「公園で映画」はどこから始まったのか

野外上映を身近にしたきっかけの一つが、2015年12月に調布市の多摩川河川敷で始まった「ねぶくろシネマ」です。寝袋にくるまって河川敷で映画を観るという企画で、初回の参加者は約100名でした。この取り組みは公共空間の新しい使い方として国土交通白書にも取り上げられ、以後、河川敷や公園、駅前広場へと会場を広げています。

同じ時期に、商業施設の広場を使う野外シネマも根づきました。プロデュース会社Do it Theaterが手がける品川シーズンテラスの「品川オープンシアター」は2022年時点で累計約6万人を集め、横浜みなとみらいの「SEASIDE CINEMA」は2018年から毎年春に開かれています。

そこにここ数年、都市の公園を民間が管理運営するPark-PFI制度と、猛暑で昼の外出が減る一方で夜の過ごし方が見直される流れが重なりました。日本経済新聞は2025年10月、商業施設やレジャー施設で野外シネマが広がり、会話や飲食をしながらの「ながら観賞」が支持されていると報じています。今回のスラムダンク上映も、都立明治公園をPark-PFIで管理運営するTokyo Legacy Parksが主催する「SUMMER LOUNGE MEIJI PARK」の一枠として開かれるものです。

アニメ映画の野外上映、主な事例を集めた

東京を中心に、アニメ映画を野外で上映した主な事例を集めました。主催者の顔ぶれを見ると、公園の管理者、自治体と不動産会社の組み合わせ、商業施設のエリアマネジメントという3つの型があることがわかります。

都立明治公園、73日間のサマーラウンジで夏のアニメ映画が続く

スラムダンクが上映される「SUMMER LOUNGE MEIJI PARK」は、2026年7月17日から9月27日までの73日間開かれ、ナイトシネマは全40日間に及びます。主催者によると、日本の屋外映画上映イベントとして開催日数は最大級です。入場は無料で、今年は7月18日の『ルックバック』を皮切りに、『竜とそばかすの姫』『サマーウォーズ』『屋根裏のラジャー』、8月22日には実写映画『【推しの子】-The Final Act-』も上映されました。

前年の2025年8月には、同じ会場でねぶくろシネマの10周年記念上映が行われ、『時をかける少女』『パンダコパンダ』『サマーウォーズ』が週末ごとに上映されています。河川敷の100人から始まった企画が、10年で国立競技場の隣の公園に舞台を移した形です。

中野区の「チルナイトピクニック」は2年目で来場1万人超

自治体が主催する例では、中野区の「中野チルナイトピクニック 夕涼みアニメシアター」が目立ちます。中野四季の森公園で、隣接するビルの壁面にアニメを投影するという企画で、2024年8月に中野区と東京建物の主催で初開催されました。

2025年8月の2回目は『葬送のフリーレン』第1話や『忘却バッテリー』第1話、『パンダコパンダ』などを上映し、来場者は3日間で10,500人と前年の約3倍に伸びました。2026年8月21日から23日の3回目は、東映アニメーション、トムス、ブシロード、マッドハウス、MAPPAの5社から『ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター』『SAKAMOTO DAYS』など計10作品が集まり、区の「アニメの街」づくりの看板行事になっています。

品川と横浜、商業施設の広場がシアターになる

品川シーズンテラスの「品川オープンシアター」は、2024年9月に初めてアニメ作品として『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を上映しました。2025年9月には細田守監督のスタジオ地図と組み、『バケモノの子』と『竜とそばかすの姫』を2日間にわたって上映しています。いずれも無料で予約不要です。

横浜の「SEASIDE CINEMA 2026」は5月2日から6日、赤レンガ倉庫をはじめみなとみらいの6会場で開かれ、赤レンガ倉庫では『天空の城ラピュタ』『コクリコ坂から』『この世界の片隅に』『映画 聲の形』が上映されました。港の夜景を背にジブリを観るという体験が、春の横浜の風物詩になっています。

ジブリパーク、原村、富士急、地方にも会場が増えた

東京以外でも会場は増えています。愛知県長久手市のジブリパークは、隣接する愛・地球博記念公園の大芝生広場で2024年11月に『ハウルの動く城』、2025年11月に『魔女の宅急便』などの野外上映会を開きました。無料ですが事前抽選制で、人気の高さがうかがえます。

長野県原村の八ヶ岳自然文化園で続く「星空の映画祭」は、標高1,300mの高原で観る有料の映画祭で、2026年8月の第40回では『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』が上映されました。富士急ハイランドの「FUJIYAMA OPEN AIR THEATER」は2026年で2年目を迎え、7月18日から9月27日の週末に『サマーウォーズ』などを入園無料で上映しています。東京湾側では葛西臨海公園とお台場海浜公園で「PARK CINEMA FESTIVAL」が開かれ、2026年7月のお台場では『ロボット・ドリームズ』に約800人が集まりました。

アニメ映画の野外上映 事例一覧

ここまでの事例を、会場と作品、主催の型、料金でまとめました。

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No.開催時期会場主なアニメ作品主催の型料金
12015年12月〜多摩川河川敷(調布市)ほかねぶくろシネマ(初回約100名)実行委員会無料
22018年〜毎年春横浜赤レンガ倉庫ほか天空の城ラピュタ、コクリコ坂から、この世界の片隅に、映画 聲の形(2026年)実行委員会+Do it Theater無料
32024年8月〜毎年中野四季の森公園(中野区)葬送のフリーレン、忘却バッテリー(2025年)、ゲゲゲの鬼太郎、SAKAMOTO DAYS(2026年)自治体+不動産会社無料
42024年9月・2025年9月品川シーズンテラススパイダーバース、バケモノの子、竜とそばかすの姫商業施設エリアマネジメント+Do it Theater無料
52024年11月・2025年11月愛・地球博記念公園(ジブリパーク)ハウルの動く城、魔女の宅急便テーマパーク無料(抽選制)
62025年8月都立明治公園時をかける少女、パンダコパンダ、サマーウォーズ(ねぶくろシネマ10周年)Park-PFI事業者+実行委員会無料
72025年〜2026年夏富士急ハイランドサマーウォーズほかテーマパーク入園・観覧無料
82026年7月お台場海浜公園ロボット・ドリームズ(約800人)実行委員会無料
92026年8月八ヶ岳自然文化園(原村)映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城(第40回)実行委員会有料(大人1,500円)
102026年7〜9月都立明治公園ルックバック、竜とそばかすの姫、サマーウォーズ、THE FIRST SLAM DUNKPark-PFI事業者無料

一覧から見えた、野外上映で選ばれる作品と今回の特別さ

表を見渡すと、細田守監督の『サマーウォーズ』『時をかける少女』『竜とそばかすの姫』と、スタジオジブリの作品が複数の会場で繰り返し選ばれていることに気づきます。夏の夜、家族連れや友人同士が芝生に座って観る場面を想像すると、夏休みを舞台にした作品や誰もが知っている作品が選ばれるのは自然な流れです。

その中で『THE FIRST SLAM DUNK』は少し毛色が違います。興行収入158億円を超える近年の大ヒット作が、公園で無料で観られる例は、確認できた範囲では今回が目立った例です。本作は2024年8月に380館以上で復活上映、2025年10月にも「THE FIRST SLAM DUNK 2025 in cinema」として応援上映や実況解説つきの上映が行われ、公開から3年続けて夏から秋に劇場へ戻ってきました。4年目の今年は劇場ではなく、公園です。

バスケエンニチが昼から同時開催されるのも、この上映ならではです。昼にボールを触り、夕方に芝生へ座り、日が落ちてから湘北と山王の試合を観る。作品の世界と公園の一日が地続きになる設計は、野外上映が「映画館の代わり」ではなく「その場所でしかできない体験」になっていることを示しています。

芝生に座る前に、原作で山王戦を読み返す

『THE FIRST SLAM DUNK』は原作の終盤、湘北高校と山王工業の試合を宮城リョータの視点から描いた作品です。原作『SLAM DUNK』は全31巻、新装再編版は全20巻で、映画で描かれなかった県予選や各キャラクターの背景は原作でしか読めません。野外上映の前に山王戦を読み返しておくと、ラストの静寂の意味がいっそう深く伝わります。

一覧に登場した作品のうち、原作コミックスやコミカライズが刊行されているものをまとめました。野外上映で出会った作品の続きは、こちらから読めます。

夏の夜の「集まる理由」は、施設の中にもつくれる

野外上映の事例に共通するのは、映画そのものより「その場所で夜を過ごす理由」を提供している点です。中野区の来場者が1年で約3倍に伸びたのも、公園にアニメという集まる理由が加わったからでした。温浴施設やホテル、キャンプ場、ネットカフェにとっても、この考え方はそのまま使えます。

たとえば施設のロビーや休憩スペースで上映会を開き、その作品の原作をマンガコーナーに並べておくと、上映後のお客様は自然と棚に向かいます。映画を観たあとに原作を手に取る導線があるだけで、帰り支度をしていたお客様の滞在がもう少し延びます。夏休みやお盆、連休のように家族連れが増える時期には、とくに効果が出やすい仕掛けです。

スマートコミックは、施設向けにマンガコーナーを設置するコミックレンタルサービスです。上映会やイベントに合わせた作品のご相談にも対応していますので、夜の時間の過ごし方を施設で提案したいとお考えでしたら、お気軽にお問い合わせください。

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