ポータルサイト掲載の最適化——SUUMO・HOME’Sで自分の物件が「選ばれる」ための条件整備

入居希望者の大半がポータルサイトで物件を探す時代、あなたの物件がポータルサイト上でどう見えているかは、空室対策の最前線です。
アットホームが2025年に公表した「オンラインでの住まい探しに関する調査」では、住まいの探し方として経験者・検討者ともに「不動産ポータルサイトで検索」がトップ。検討者の上位4つはすべてインターネット検索関連でした。つまり、ポータルサイト上で物件情報が魅力的に掲載されていなければ、そもそも検討の土俵に上がれません。
本記事では、管理会社に任せきりにせず、オーナー自身がチェック・改善できるポータルサイト掲載のポイントを解説します。

まず、自分の物件はどこに掲載されているか確認すること
最初にやるべきことは、自分の物件が実際にどのポータルサイトに掲載されているかを確認することです。
主要なポータルサイトはSUUMO、HOME’S(LIFULL HOME’S)、アットホームの3つ。これらは掲載物件数が圧倒的に多く、入居希望者の利用率も高いサイトです。自分の物件がこの3つのうち少なくとも1〜2つには掲載されているかを確認してください。
確認方法は簡単です。各ポータルサイトで、自分の物件のエリア・間取り・家賃帯で検索し、自分の物件が表示されるかを見るだけ。もし表示されなければ、管理会社に「どのサイトに掲載していますか?」と確認しましょう。
レインズ(業者間流通サイト)にしか掲載されていない場合、一般の入居希望者の目には触れません。レインズ経由で他の仲介業者に物件情報が共有されるメリットはありますが、入居者自身がポータルサイトで検索して物件を指名来店するケースが主流となっている現在、ポータルサイトへの掲載は不可欠です。
写真の枚数と質が反響を左右する
アットホームの「不動産ポータルサイトに関する調査 2025」によると、不動産会社を選ぶ基準として「物件写真の枚数が多い」「物件写真がきれいで見やすい」が上位を占めています。また、約7割の入居希望者が物件写真と実際の内見にギャップを感じたと回答しており、写真の質が期待値を大きく左右していることがわかります。
掲載写真のチェックポイントは以下の通りです。
枚数は最低10枚以上を目指してください。リビング、キッチン、バスルーム、トイレ、収納、玄関、バルコニーからの眺望、外観、エントランス、共用部。主要な箇所をすべてカバーすることで、入居者は内見前に物件のイメージをつかめます。同じ場所でも角度を変えた複数枚があると、より参考になると89%の人が回答しています。
写真の明るさも重要です。暗い写真は物件全体の印象を下げます。自然光が入る昼間の時間帯に撮影するのが基本。カーテンを開け、照明をつけた状態で撮影しましょう。
水回り(キッチン・バスルーム・トイレ)は入居者が特に気にするポイントです。清掃した状態で撮影し、清潔感を伝えることが大切です。
もし管理会社が撮影した写真の質に不満がある場合、写真の撮り直しを依頼するか、オーナー自身がスマートフォンで撮影した写真を提供するのも一つの方法です。
紹介文は「具体的」であるほど選ばれる
ポータルサイトの紹介文は、写真と並んで物件の第一印象を決める要素です。しかし多くの物件の紹介文は「日当たり良好」「閑静な住宅街」「設備充実」といった抽象的な表現にとどまっています。
入居者が知りたいのは、もっと具体的な情報です。「南向き10畳リビング、午前中は窓から日差しが差し込みます」「○○駅徒歩8分、○○スーパーまで徒歩3分(約200m)」「追い焚き機能付きバス、独立洗面台あり」。このように、数字や固有名詞を使って具体的に書くだけで、紹介文の説得力は大きく変わります。
また、ターゲットを意識した訴求も効果的です。単身者向けなら「コンビニ徒歩1分、宅配ボックス完備で不在時も安心」、ファミリー向けなら「○○小学校学区、公園隣接」など、入居者の生活シーンに合わせた情報を盛り込みましょう。
掲載情報の「鮮度」を保つ
ポータルサイトの検索結果は、多くの場合「新着順」や「更新日順」でソートされる機能があります。掲載情報が長期間更新されていないと、検索結果の下位に沈み、入居者の目に触れにくくなります。
管理会社に対して、掲載情報の更新頻度を確認しましょう。理想は2週間に1回程度の情報更新(写真の追加、紹介文の修正、条件の微調整など)です。特に閑散期は反響が少ない分、掲載情報の鮮度を保つ努力が相対的に重要になります。
また、季節に応じた写真の差し替えも効果的です。夏に撮影した写真がそのまま冬まで使われていると、入居者に「この物件はずっと空いているのでは」という印象を与えかねません。
募集条件を競合と比較する
ポータルサイトで自分の物件を検索した際に、同じ検索結果に表示される競合物件もチェックしてください。同じエリア・同じ間取り・同じ価格帯で検索したとき、自分の物件と競合物件を見比べて、以下を確認します。
家賃は競合と比べて適正か。初期費用(敷金・礼金)の設定はどうか。フリーレントをつけている競合はあるか。写真の枚数や質で見劣りしていないか。設備面でアピールできるポイントはあるか。
この比較は、入居者がまさに行っている行為そのものです。入居者の目線で自分の物件を客観視することで、改善すべきポイントが見えてきます。

管理会社に確認すべきチェックリスト
最後に、管理会社に確認・依頼すべき項目をまとめます。
掲載サイトについては、どのポータルサイトに掲載されているか、SUUMO・HOME’S・アットホームのうち掲載されていないサイトはないか。
写真については、掲載写真は何枚か、最後に撮影・更新したのはいつか、水回りや共用部の写真は含まれているか。
紹介文については、物件の具体的な魅力が伝わる内容になっているか、最後に更新したのはいつか。
募集条件については、家賃・初期費用が周辺相場と比べて適正か、フリーレントやADの設定は時期に応じて調整されているか。
反響データについては、月間の問い合わせ件数、内見件数、成約に至らなかった理由のフィードバック。
これらを定期的に確認するだけで、「管理会社に任せきり」の状態から「数字を見て判断する」状態に変わります。ポータルサイトの掲載最適化は、ADを増やすより先に取り組むべき、コストゼロ(または低コスト)の空室対策です。
