人間の世に潜む『怪物事変』は狐と狸の化かし合い!

人間の世に潜む『怪物事変』は狐と狸の化かし合い!

化け物、あやかし、モノノ怪……ヒトではない生き物をめぐる漫画は枚挙にいとまがありません。それほどに魅力的なモチーフなのでしょうね。
今回紹介する『怪物事変(けものじへん)』は、半人半妖の少年少女が活躍する、謎が謎を呼び、巧妙な伏線が張り巡らされた人気作です。2021年1月から3月までアニメ化もされましたね。

田舎の叔母宅で居候として厄介者扱いを受けていた主人公の少年・夏羽(かばね)は、わけあって東京の化け狸のオッサンに引き取られます。この隠神(いぬがみ)というオッサンは、「怪物(けもの)」と呼ばれるいわゆる化け物。彼は探偵社をやっていて、そこには織(しき)と晶(あきら)という2人の少年も働いていました。もちろん、2人も怪物です。

隠神によって、夏羽は人間と屍鬼(クーラー)の間に生まれた、血が通わず死なない半人半妖の怪物だということが明かされます。そんな出生の秘密を抱える世間知らずで素直な夏羽が、織や晶とともに戦って成長していくのがひとつの見どころ。さらには人情モノ的な部分もあり、敵対する狐たちとの派手なバトルもあってと、非常に楽しめる要素が多い作品になっています。

物語の序盤は、織の死んだと思われた母親が生きていて、織が自分の気持ちと闘うターン。そして晶の双子の兄が現れて、いろいろすれ違いはあったものの、兄弟が本当にわかりあえるターンです。
その後は自分の過去を乗り越えた2人と夏羽、そして隠神たちの「本当の戦い」が始まります。

敵対する勢力と戦う中、自分に足りないものを身に付けたり、本質に気付いたりする夏羽。
あまりにも素直で騙されやすい夏羽なので、見ているとハラハラしてしまいます。他人を疑うことを知らない彼は、その素直さゆえに脆い部分もありました。
それでも戦いや悲しみを乗り越えて、夏羽はさらに強くなっていきます。

そんな感じで、家族パート、恋愛パート、友情パート、バトルパートと入り乱れながら物語は進んでいきます。
頼りになるオッサン・隠神が実はかなり推せます。普段は適当だけど、重要なことはちゃんと見抜いている大人。子供たちを自立させるためにあえて放置したり、命がけで守ったりと、なかなかにカッコいいです♪
まったくもって狸オヤジなんですけどね。

物語が進むにつれて新しいキャラクターが登場し、消えていきますが、まだまだ謎は深まるばかり。今後の展開が気になって本を読む手が止まりません。
朴訥(ぼくとつ)すぎる夏羽の性格がコミカルに描かれてもいるため、シリアスとコメディのさじ加減もいい感じです。特に、すぐにブチ切れる織との絡みが面白いですよ。

物語は主に狸軍勢・狐軍勢という2勢力の対決がメインですが、そこで繰り広げられるドラマは時に胸を熱くします。心が痛んだり涙を流すこともあるでしょう。
そうやって少年少女は心も身体も強くなります。見守る大人組もいい感じなので、ここも要チェックですね。
ただのお宝取り合い合戦ではない、大きな伏線が敷かれているところも見逃せません。
オイシイ内容全部盛り!な原作コミックは、アニメ放送は終わってもまだまだ続きますので、しっかり追いかけたいと思います。

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