ハンパな気持ちじゃ生き残れない! アラフォー女子の婚活コメディ『婚活バトルフィールド37』

皆さんは「婚活」という言葉から何をイメージするでしょうか? 近年は先進国の多くが少子化に悩まされ、また価値観の多様化によって結婚しないという選択をする人も増えていることなどから、婚活をとりまく状況も大きく変わってきたと言えるでしょう。
今回ご紹介するのは、婚活=戦場だ!というぶっちゃけたコンセプトで突き進むコメディ『婚活バトルフィールド37』です。どこかお上品なイメージを婚活に抱いている人にとって衝撃となるであろう、その内容とは……!?
37歳独身女子、いざ戦場へ
主人公の赤木 ユカは、大手企業に勤務する派遣社員。そこそこ美人なのに加えて若いころから社交的、自己評価もかなり高いという境遇に油断して生きてきた彼女は、気がつけば37歳独身。元カレの浮気で別れて久しぶりにフリーの身となったことから、「婚活」に乗り出しました。
ユカが結婚相手に求める条件は、イケメン・高身長・年収1,000万円など結構ハード。自分ならそのくらいの男は簡単に捕まえられるだろう、と高をくくってハイスペック男性限定の婚活パーティーに出陣するも……まったく相手にされず惨敗してショックを受けます。
「自分より美人はこの場にいない」「勝利は確定」などと慢心し、好きな獲物を狙える狩り場だと思っていたのが、実際の婚活パーティーは自分にも弾が飛んでくる戦場だったわけですね。
このパーティーには、たまたま同僚で同い年の地味系女子社員・青島も訪れていました。彼女もユカのように成果ゼロでしたが、「婚活歴8年のベテラン」という名誉だかダメだかわからない経歴でマウントを取り、あれこれノウハウを教えようとしてきます。
ソリの合わない2人ですが縁ができてしまったことで、さまざまな婚活の場へ一緒に向かう戦友となりました。いつか彼女たちは勝利(結婚)を手にすることができるのか――?
あらゆる失敗を赤裸々に描きまくる怒涛の展開
本作の見どころは、対照的な2人の婚活女子が積み重ねていく、多彩なシチュエーションでの失敗エピソードでしょう。
基本的には1話完結の形式で、「ハイスペック男性限定婚活」「オタク限定婚活」「料理しながら婚活」「昔ながらのお見合い」「マッチングアプリ」など各話テーマが決まっています。そこにユカ(頻繁に青島も出てくる)が参加し、良さそうな男を見つけるも最後は轟沈……という流れが定番です。
失敗の理由は読者から見ればハッキリしていて、ユカの場合は他者をとことん見下す傲慢さです。婚活のタブーを知らない彼女はパーティーに出ても、低スペックとみなした男性には徹底的に冷たい態度をとります。
高スペックな男性には甘えた声でアピールするものの、当然そこは相手も愚かではありません。別の男性、また他の女性参加者にユカがとった態度はしっかり見られていて、お目当ての男性には相手にしてもらえないのです。初対面の男性にいきなり年収を尋ねたり、正直に「趣味は海外旅行」なんて自己紹介を書いたりしてしまうところも婚活ではマイナスですね。
そんなユカの欠点をズバズバ指摘する青島も、正論をストレートにぶつけすぎるという性格上の問題があり、良い縁がみつからず8年も婚活する状況になっています。
ここまで見ればひどくネガティブな作風だと感じられるかもしれませんが、実際はそうでもありません。絵柄やセリフ回しが徹底的にギャグ路線に寄せられていて、また2人の婚活ソルジャーもメンタルが非常にタフです。
失敗してもくじけることはあっても、新たな理想の出会いを求めて次の戦場に向かう。なかなか自身の問題点を改善しない2人ですが、ユカが婚活する遠因になった浮気性の元カレと再会したり、青島は気の弱い公務員男性とデートできる間柄になったり、着実に変化を見せるストーリー展開から目が離せません。
笑いながら婚活の教訓を学べる良質な一作
というわけで2人の女性が滑って転んで大変な本作ですが、世の中にはこんな婚活方法もあるのか、本気で挑む婚活パーティーは戦場のようにシビアなんだな、こういう姿勢で臨めば彼女たちと同じ失敗をしなくて済むかも、と考えさせてくれる教訓に満ちた内容でもあります。
ユカも青島もかなりアクの強いキャラクターで地雷めいた言動が目立ちますが、良くも悪くも自分自身の「芯」がしっかりしていて、読み進めるうちに共感がめばえて好きになっていくタイプでしょう。いつか彼女たちが素のままでいられる相手と出会えるかどうか楽しみです。
婚活という重そうなテーマに反してカラッとしたキレのいいギャグ展開が純粋におもしろいので、今すぐ結婚を考えていない人、すでに結婚している人にもおすすめですよ!