2022年で連載開始から50年! 不朽の野球マンガ『キャプテン』シリーズ

国民的スポーツとして今なお人気のある野球。マンガとの親和性も高いジャンルで、名作も多数あります。1960~1970年代にかけては、必殺技を繰り出すスーパーヒーローを主人公とした作品が主流で、野球マンガも例外ではありませんでした。
そんな中で、あえて実直に努力を積み重ねる中学生を主人公にした作品が、今回紹介するちばあきお先生作画・原作の『キャプテン』シリーズです。
2019年から続編が連載開始! 時代を超えて読み継がれる名作
『キャプテン』は、1972年よりちばあきお先生の手で連載がスタート。2022年で連載開始から50年を迎えました。
主人公は、墨谷二中のキャプテン4人です。
- 谷口タカオ(初代主人公)
- 丸井(2代目主人公)谷口卒業後のキャプテン
- イガラシ(3代目主人公)丸井卒業後のキャプテン
- 近藤茂一(4代目主人公)イガラシ卒業後のキャプテン
物語は名門校の野球部で二軍の補欠だった谷口タカオが、転校先の墨谷二中で野球部に入部するところからスタート。谷口の卒業後はそれぞれの代のキャプテンを主人公として、チームとキャプテンの成長を描いています。
同作は、近藤キャプテン時の春季全国大会終了直後までを描いて、1979年に連載が終了。続編の構想もあったのですが、作者の急逝もあり「もう続編は読めないのではないか」と思われていました。
そんな中、コージィ城倉先生が引き継ぐ形で誕生したのが『キャプテン2』です。
『キャプテン2』では、最終回から続く形で近藤キャプテン時の墨谷二中を描き、その後は歴代の主人公であるキャプテンなど主要キャラクターが在籍している墨谷高校が舞台となっています。
『キャプテン』シリーズが支持を集めている2つの理由
1. 登場人物の心理が丁寧に描写されている
野球に限らず学校の部活動は1年ごとにチームが入れ替わるので、誰がキャプテンになるかでチームのムードも変わるもの。そのため、選手同士でもそれぞれに心理的な葛藤があります。
チームのことを考えつつ自分の練習を積み重ねる谷口、丸井の「勝ちたい」と思う気持ちが空回りするさま、短気な丸井についていけなくなって排斥しようとする他の部員の心理などが、それぞれのキャラクターの表情とともに丁寧に描かれているのが印象的です。
2. どこにでもいそうな中学生の成長を描く作風に共感
最初にも書いたように、『キャプテン』シリーズには魔球を操るような場面、飛び抜けて能力の高いキャラクターは登場しません。
能力の高いキャラクターをあげるとすれば、全ポジションを守ることができるイガラシと力のある速球を投げる近藤茂一です。しかし、彼らも下町で暮らす連載当時(昭和50年代前後)の少年として描かれています。
イガラシはスパルタすぎる特訓を課したことで出場辞退に追い込まれる、近藤は精神的に幼く、苦手な練習を避けようとするなどの一面もあったものの、ふたりとも最終的にはキャプテンとして大きく成長。
彼らが短所を自覚して克服するプロセス、そこからさらなる成長へと結びつけていくさまを丁寧に描いている点が、当時の野球少年たちから支持を集めた理由です。
2020年にはアニメ化40年を迎えた『キャプテン』
アニメは1980年にスペシャル版、その後に続編と劇場版を公開。1983年にはテレビシリーズで全26回が放映されました。アニメは2020年で40年、原作は連載50年を迎え、今なお色あせることなく根強い人気を誇る作品です。
下町のどこかにいそうな中学生たちを主人公として、心身の成長を描く物語でもある『キャプテン』シリーズは、成長するために必要な要素が盛り込まれています。
若い世代であれば、『キャプテン2』で知った人も多いでしょう。そのような人たちも、ちばあきお先生の『キャプテン』をぜひ手にとって読んでみてください。