虚淵玄が明かす「ワルプルギスの廻天」誕生秘話、「まどか☆マギカ」13年の歩みをたどる

公開中の「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉」について、脚本の虚淵玄がインタビューで誕生の背景を明かした。前作「叛逆の物語」の完成後、虚淵は「丸っきり手ぶらの状態」だったといい、異空間設計を担当する劇団イヌカレーから受け取った「ものすごい量のアイデアノート」を紐づけていくのが自分の仕事になったと振り返る。自らの役割を「骨を並べ替えてマンモスに見えるよう提案する」ことだったと表現し、「Magica Quartetをはじめみんなで作ったという感覚が強い」と、あくまでチームでの創作だったことを強調している。

本作は前作「叛逆の物語」から数えて13年ぶりの完全新作だ。以前の記事では新キャラクターを演じる坂本真綾のこれまでの代表作を振り返ったが、今回はシリーズそのものが歩んできた13年間を、公開当時のデータとともに年表でたどってみたい。

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虚淵玄が語る、新作映画が生まれるまで

虚淵はキャラクターのほむらについて「黒幕というより、ゲームキーパーであり廃人ゲーマーのようなイメージ」と説明し、「シムシティ」のプレーヤーのように箱庭を維持しようとする存在として描いたと明かしている。また「アニメの脚本は言わば設計図」であり、脚本家一人で完璧に面白くしすぎると映像としての広がりがなくなると指摘し、スタッフが「もうひと頑張りしたらもっと面白くなる」と情熱を持って肉付けしてくれたことが何よりうれしかったと語った。最初は「丸っきり違う話にする」案もあったというが、最終的には10年前の原点に立ち返る形で今回の物語がまとまったという。

2011年:TVアニメ放送開始

総監督・新房昭之、脚本・虚淵玄、キャラクター原案・蒼樹うめという座組みで、原作なしのオリジナル企画としてTVアニメ第1期が放送された(全12話)。王道の魔法少女ものと思わせて物語が大きく反転する構成が話題を呼び、シリーズの出発点になった。

2012〜2013年:総集編、そして劇場版『叛逆の物語』へ

2012年には総集編2部作「[前編]始まりの物語」「[後編]永遠の物語」が劇場公開され、2013年10月には完全新作の劇場版「[新編]叛逆の物語」が公開された。同作は公開67日間で興行収入20億287万9400円、動員145万1121人を記録し、深夜アニメの劇場版として初めて興収20億円の大台を突破している。

2017〜2022年:『マギアレコード』でスピンオフ展開

2017年8月にはスピンオフのスマートフォンゲーム「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」が配信開始し、2018年10月からはコミカライズ連載もスタート。ゲームを原作にしたTVアニメも2020年1月、2021年8月、2022年4月と複数回にわたり放送され、本編以外の物語を求めるファンの受け皿になった。

2021年:放送10周年、そして幾度かの延期を経て

2021年1月には放送10周年記念プロジェクトが始動し、特設サイトの開設とともに新房昭之監督や蒼樹うめ、鹿目まどか役の悠木碧らがコメントを寄せた。新作映画は当初2024年冬の公開が予定されていたが、その後2025年冬、2026年2月と複数回にわたり延期され、最終的に2026年8月28日の公開となっている。

2026年:13年ぶりの新作『ワルプルギスの廻天』公開

公開初日0時からの最速上映を実施する劇場もあるなど話題を集め、公開4日間で動員58万3638人、興行収入10億1837万5620円を記録した。前作を上回るペースと報じられており、13年という歳月を経てもシリーズの吸引力が衰えていないことを示す結果になった。

「まどか☆マギカ」13年の歩み

TV放送開始から現在の新作公開まで、主要な展開を年表でまとめた。

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No.出来事
12011年TVアニメ放送開始(全12話)
22012年総集編2部作を劇場公開
32013年劇場版「叛逆の物語」公開、興収20億円突破
42017〜2018年「マギアレコード」ゲーム配信・コミカライズ開始
52020〜2022年「マギアレコード」TVアニメを複数期放送
62021年放送10周年記念プロジェクト始動
72026年8月28日13年ぶりの新作「ワルプルギスの廻天」公開

13年分の積み重ねを、原作とスピンオフでたどり直す

本編を見返すのはもちろん、スピンオフの「マギアレコード」まで手を伸ばせば、13年という歳月でどれだけ世界観が広がったかを実感できる。新作映画をきっかけに、初めて触れる人も、当時を知るファンも、それぞれの入り口から読み返してみるとよいだろう。

13年物のシリーズは、施設の棚でも“長く効く”定番になる

13年という長さは、当時中高生だった世代が今は親になっている年月でもある。本編とスピンオフをあわせて棚に置いておけば、久しぶりに思い出した層と、新作から入った層の両方を取り込める息の長いラインナップになる。

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