『超かぐや姫!』が夜のサンシャイン水族館に出現! アニメ・マンガと水族館は、なぜこんなにコラボするのか
大ヒットのオリジナルアニメ映画『超かぐや姫!』と、東京・池袋のサンシャイン水族館によるコラボイベント「ツクヨミアクアリウム」が、2026年7月24日から8月30日まで開催されます。通常営業の後の夜間限定(17時〜20時)で行われ、夏の夜の水族館に、作中の仮想空間〈ツクヨミ〉が浮かび上がる趣向です。
実はここ数年、アニメやマンガと水族館のコラボは各地で相次いでいます。進撃の巨人、ジョジョ、名探偵コナンといった人気作が次々と水槽の前に登場し、そのたびに話題を呼んできました。今回の『超かぐや姫!』も、その流れの最新の一例です。
この記事では、これまで行われてきた水族館×アニメ・マンガのコラボをまとめて振り返り、これから始まる最新の企画までを一望します。そのうえで、なぜアニメ・マンガと水族館はこれほど惹かれ合い、繰り返しコラボするのか、その理由を紐解いていきます。
最新の話題『超かぐや姫!』×サンシャイン水族館
まずは、きっかけとなった今回のコラボから見ていきます。「サンシャイン水族館×超かぐや姫! ツクヨミアクアリウム」は、映画の世界観を夜の水族館まるごとで表現する体験型のイベントです。会期は2026年7月24日から8月30日まで、開催は各日17時から20時の夜間限定となっています。
クラゲ・光・音楽で〈ツクヨミ〉を再現
見どころは、クラゲエリア「海月空感」でのEDテーマと連動した光と音の演出です。「天空のペンギン」水槽では楽曲に合わせたマーメイドショーが行われ、作中に登場する生き物の標本・生体展示もそろいます。声優・夏吉ゆうこさん演じるかぐやによる録り下ろしの音声ガイド(有料)やウェルカムムービーも用意され、描き下ろしイラストを使ったグッズやコラボドリンクも並びます。
『超かぐや姫!』は、仮想空間〈ツクヨミ〉を舞台に「“歌”でつながる少女たちの絆」を描いたオリジナルの長編アニメ映画です。2026年1月からのNetflix配信に加え、劇場では累計動員120万人・興行収入25億円を突破した話題作。水と光と音楽が主役の水族館は、この作品の世界観を立ち上げる場としてうってつけといえます。
アニメ・マンガ×水族館コラボ、これまでの歩み
水族館とアニメ・マンガのコラボは、この数年で見せ方が着実に進化してきました。初期の展示やスタンプラリー中心のものから、水槽そのものを作品世界に染める没入型へ。代表的な事例を時系列で振り返ります。
特別館長やパネル展示から始まった初期のコラボ
2019年、しながわ水族館では『おこしやす、ちとせちゃん』とのコラボで、コウテイペンギンのヒナ・ちとせちゃんが特別館長に就任しました。2021年にはアクアワールド茨城県大洗水族館が『どすこいすしずもう』と組み、特設水槽の展示や館内のパネルラリー、グリーティングイベントを実施。初期のコラボは、キャラクターのパネルや特別展示、館内をめぐるスタンプラリーといった、来館者を回遊させる仕掛けが中心でした。
回遊ラリーとコンセプト水槽で“作品世界に浸る”方向へ
2022年10月から11月には、横浜・八景島シーパラダイスで『ジョジョの奇妙な冒険』とのコラボが開催されました。広大な島内をめぐる「島内探索ラリー」をメインに、描き下ろしアートや作品にちなんだ生き物の特別展示を展開。施設のスケールを丸ごと使う回遊型の企画でした。
2023年10月から2024年1月には、カワスイ 川崎水族館で『進撃の巨人』とのコラボが実施されました。作品世界をイメージしたコンセプト水槽を設置し、ドクターフィッシュを使った“捕食体験”というユニークな企画も登場。等身大フィギュアやフォトスポット、スタンプラリーもそろい、水槽の前で作品世界に浸れる作り込みが評判を呼びました。
サンシャイン水族館が広げた多彩なコラボ
今回の会場であるサンシャイン水族館は、コラボ企画の常連です。2024年には『ラブライブ!スーパースター!!』と組み、生き物クイズやミニゲーム、キャラクターにちなんだ特別水槽を展開しました。『名探偵コナン』とのコラボでは、水族館の生き物とキャラクターを掛け合わせたフォトスポットや、期間限定の特別なアシカパフォーマンスが用意されています。
さらに『アクアリウムは踊らない』とのコラボでは、夜間限定の体験型ホラー謎解きイベントが行われました。夜の水族館を舞台に、来館者が自分で謎を解きながら進む参加型の企画です。今回の『超かぐや姫!』の夜間コラボは、こうした“夜×体験”の積み重ねの延長線上にあるといえます。
そして今、『超かぐや姫!』が“夜”に踏み込む
こうした歩みの最新地点にあるのが、今回の「ツクヨミアクアリウム」です。特徴は、通常営業の後の夜間だけを舞台にしたこと。昼とは違う静かなライティングのなかで、クラゲの演出や音楽と連動したショーが映えます。夜の水族館という非日常に、映画の世界観を重ねる作りは、これまでのコラボが磨いてきた“没入”と“体験”の集大成のような内容です。
プロジェクションマッピングを駆使したアクアパーク品川のNAKED演出や、クラゲ水槽を生かしたすみだ水族館の夏イベントなど、水族館は空間ごと作り替える演出力を高めてきました。作品コラボは、その演出力に物語という軸を加えるもの。『超かぐや姫!』はその好例として、この夏の注目を集めそうです。
なぜアニメ・マンガと水族館はコラボするのか
ここからが本題です。これほど多くのコラボが生まれる背景には、水族館側・作品側の双方にとって、理にかなった理由があります。四つの視点から紐解いてみます。
水族館側 新しい客層と“もう一つの集客の山”を得られる
水族館にとって最大の利点は、作品のファンという新しい客層を呼び込めることです。好きな作品が目当てなら、遠方からでも足を運びますし、期間限定という特別感が来館の後押しになります。夏休みや夜間など、集客を伸ばしたい時期・時間帯に合わせてコラボを設計すれば、通常営業とは別の“もう一つの集客の山”を作れます。話題性の高いコラボはSNSやメディアで拡散されやすく、施設そのものの認知を広げる効果も見込めます。
場の適性 水族館はもともと“没入体験”に強い
水族館という空間は、コラボの舞台として抜群の適性を持っています。暗がりに青く光る水槽、揺れる水の音、ゆっくり泳ぐ生き物たち。そのままで非日常的なので、作品の世界観を重ねると相乗効果が生まれます。暗さがある分、照明やプロジェクション、音楽の演出も際立ちます。写真映えするフォトスポットを作りやすく、来館者が数時間かけて回遊するため、展示・グッズ・ショー・ドリンクと、作品に触れる接点をいくつも用意できるのも強みです。
作品側 世界観を“立体的に”見せ、宣伝にもなる
作品の側にも大きなメリットがあります。紙や画面のなかにあった世界を、実際の空間と生き物を使って立体的に体験してもらえる。映画の公開や新刊の発売にあわせれば、強力な宣伝の場にもなります。海や水にまつわる作品はもちろん、そうでない作品も、生き物という“実物”と重ねることでキャラクターの新しい魅力を引き出せます。ファンにとっては、作品の世界に一歩踏み込める貴重な機会になります。
共通のゴール 生き物への関心が、施設の使命とも重なる
見落とされがちですが、コラボは水族館本来の使命とも噛み合います。作品をきっかけに訪れた人が、展示された生き物に目を向け、その生態や環境に関心を持つ。エンターテインメントの入り口から、生き物を知り、大切に思う気持ちが生まれる。ファンは作品世界を楽しめて、水族館は新しい来館者に生き物の魅力を伝えられる。この“お互いにとって得がある”関係こそ、コラボが繰り返される最大の理由といえるでしょう。
水族館×アニメ・マンガコラボの事例まとめ
ここまで紹介した事例を、これまでとこれからで整理します。展示やラリーから、コンセプト水槽、そして夜間の体験型へと、見せ方が広がってきたことがわかります。
| No. | 時期 | 作品・企画 | 施設 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2019年 | おこしやす、ちとせちゃん | しながわ水族館 | ペンギンのヒナが特別館長・スタンプラリー |
| 2 | 2021年 | どすこいすしずもう | アクアワールド茨城県大洗水族館 | 特設水槽・パネルラリー・グリーティング |
| 3 | 2022年 | ジョジョの奇妙な冒険 | 横浜・八景島シーパラダイス | 島内探索ラリー・描き下ろしアート |
| 4 | 2023〜24年 | 進撃の巨人 | カワスイ 川崎水族館 | コンセプト水槽・捕食体験・等身大フィギュア |
| 5 | 2024年〜 | ラブライブ!/名探偵コナン ほか | サンシャイン水族館 | 特別水槽・ミニゲーム・フォトスポット・夜間謎解き |
| 6 | 2026年7〜8月 | 超かぐや姫!(最新) | サンシャイン水族館 | 夜間限定・クラゲ演出・マーメイドショー・音声ガイド |
個人の皆様へ。夏の夜は、作品世界に染まった水族館へ
『超かぐや姫!』×サンシャイン水族館「ツクヨミアクアリウム」は、2026年7月24日から8月30日までの夜間限定開催です。クラゲエリアの演出やマーメイドショーは、夜だからこそ映える内容になっています。映画を観た方はもちろん、これから作品に触れる方にも、涼を求めるお出かけ先としておすすめです。夜のライティングに包まれた非日常の空間を、ぜひ体験してみてください。
施設運営者の皆様へ。“作品の力”で滞在時間と再訪をつくる
これらのコラボが教えてくれるのは、物語やキャラクターには人を動かす力があり、それを施設の体験に組み込むと、新しい客層・話題・再訪が生まれるということです。水族館の強みは、来館者が長く滞在し、その間に何度も作品と出会える点にありました。滞在時間の長さを味方につける発想は、商業施設や宿泊施設にも応用できます。
大掛かりな演出でなくても、“ここでしか過ごせない時間”はつくれます。たとえば、待合や休憩の空間に思わず読みふけってしまうマンガを置くだけでも、滞在時間は伸び、また来たい場所に変わっていきます。スマートコミックは、施設の客層に合わせた選書とマンガコーナーの設置・運用をまるごとお手伝いするサービスです。作品の力で人を惹きつける一手として、料金プランや導入事例をご覧ください。
