TOP > スタッフブログ > 2023/03/16

ホテルのレベニューマネジメントとは？手法やシステムについて解説

ホテルや旅館のビジネスの特徴においては、一般の店舗経営と大きく違い、いわゆる在庫の繰り越しができないということが挙げられます。

また、その時々の季節や気候、周囲で行われるイベントなどによって需要が大きく変動するのも特徴のひとつとなります。

そのため、どのようにして適正に販売価格の設定をすればよいのか、とても難しいと思われます。販売価格を宿泊時期や予約のタイミングによって調節する、レベニューマネジメントを適正な調整方法で行うことによって、収益を最大化することができるようになります。

知っておきたいビジネス用語「レベニューマネジメント」とは？ホテル業界では一般常識？

レベニューマネジメントとは、需要を予測して適切な販売管理を行い、収益最大化を目指す手法です。ホテルの客室のように「繰り越せない在庫」を持つビジネスジャンルで活用される販売方法です。

もともとは1970年代に行われたアメリカ航空業界における規制緩和がきっかけで生まれたものです。航空機の座席と同じように、ホテルの客室も「繰り越せない在庫」という共通点があることから、ホテル業界にもレベニューマネジメントが広がっていきました。

ホテル業界におけるレベニューマネジメントとは、具体的には顧客の需要に合わせて宿泊料金を変動させることをいいます。

たとえば、もし2020年に東京オリンピックが通常通り行われていたと考えると、オリンピック開催期間中の宿泊料金は高騰していたことが予想されます。これは「高い料金を払っても近隣ホテルに宿泊し、便利にオリンピックを見たい」という需要が一定数あるからこそ成立しています。こうした市場の需要をしっかりとつかむことでホテル側の収益を拡大する、これがレベニューマネジメントの目指すものです。

レベニューマネジメントの手法

では実際のマネジメントシステムにおいてはどのように考慮していけばよいのでしょう。ここからは具体的な手法について解説します。

レベニューマネジメント業務では、実際には施設の支配人や本部のマーケティング担当の方々が担っていることも多く、日々お客様がいらっしゃる場においては、他の業務と両立させることは時間的にも非常に大変です。

また、「レベニューマネジメントは専門的な知識が必要で難しい」との印象から、敬遠されがちな面もあります。

顧客分析・需要の予測

レベニューマネジメントの実施においては正確な需要の予測がカギです。顧客の行動を分析し、セグメント別に分類して在庫の割り振りを決めます。顧客の需要・ニーズをいかに正確に把握・予測できるか。これがレベニューマネジメントの成果を左右します。

需要予測の精度を高めるためには、「データを正確かつ望ましい形で」集計することが前提となります。そして元になるデータは最低限、そのホテルが戦略の単位として考えている「マーケットセグメント別」に集めていく必要があります。マーケットセグメントは直訳すれば「市場（マーケット）を細分化したもの」ですが、より簡単に「お客様を一定の傾向ごとに分類したもの」と言い換えることができるでしょう。

分析を元にした料金と予約受入数の設定

例として、早期に予約するファミリー層などの顧客には、割引料金で部屋を提供します。一方、直前に予約する傾向があるビジネスマンの顧客向けには直前まで在庫を残しておきます。

たとえば、連休中に家族旅行の計画を立てているファミリー世帯と、急遽出張が入ったビジネスマンを比較してみましょう。ファミリー世帯は早い段階から事前に宿泊予定日を決められるので、複数のホテルをじっくりと比較し、より条件の良い施設を探す余裕があります。ネットをいろいろと検索し、利便性や設備の充実度に大きな差がなければ、「早期予約で割引」など特典のあるホテルを選ぼうとするでしょう。

一方でビジネスマンの場合、急な出張も多く、時間をかけいろいろと選んでいる余裕はありません。多少高くてもいいから、とにかく泊まるところを確保したいと考えるはずです。このように、顧客をパターン（セグメント）別に分類し、セグメントごとにどう在庫（客室）を割り振れば収益を拡大できるかを決めていきます。

実際の収益と予測を比較し、効果検証

上記の分析・予測と実際の収益を比較し、効果検証を行います。PDCAサイクルを回しながら、最適な販売手法を検証していきます。

PDCAを回すポイントとしてPlanとDoは比較的誰にでもできることですが、Check とActionを適切に実行できるかどうかがこのサイクルを回せるかの大きなポイントになっていると言えます。実際の現場では、最初から期待通りにうまくいくことはまずありません。一定期間を経過したら予約制限を解除するなどして空きがでないように工夫が必要です。

レベニューマネジメントのシステム3選

レベニューマネジメントを最適化するためのシステムも多数提供されています。どのようなものがあるのか、実際にご紹介します。

PROPERA（プロペラ）

PROPERAはホテル・旅館業界で実務経験15年以上、実績100施設以上の経験者のノウハウを搭載した実践型レベニューマネジメントシステムです。

アルゴリズムによる最適な価格提示、価格算出に特化したシステムそれぞれ施設のデータを継続的に分析することで状況を的確に捉え、取るべきアクションを判断。スピーディーに価格を算出します。

また、ホテル宿泊管理システム（PMS）連携によりPROPERAの運用に必要な予約データの自動取得が可能です。さらにサイトコントローラー連携によりPROPERAで算出した販売価格の自動更新ができます。

IDeaS

IDeaSは、市場の変化に迅速にかつ正確に対応できます。価格設定と収益性の最適化を支援。ベストなタイミングで予約してもらうことが可能です。

MagicPrice

PMSやサイトコントローラーから自社の販売データを取得し、競合データや市場データと統合・分析できるので、料金や宿泊市場の分析結果を簡単に調べることができます。また料収集したデータからAIが料金ランクを提案。操作も簡単でサイトコントローラー経由でワンクリックするだけで料金が適用されます。

料金設定は属人化しやすくチームで取り組みにくい部分ですが、履歴や実績データがMagicPrice内に自動で記録、蓄積されるので、チームでレベニューマネジメントに取り組みことができます。

ホテルの集客ならスマートコミックもおすすめ

ホテルへの集客を検討中なら漫画コーナーの設置もおすすめです。「スマートコミック」は店舗・法人向けのコミックレンタルサービス。漫画コーナーの設置をプロがしっかりサポートします！コミックのタイトル選びに関しても経験豊富なスタッフがアドバイスさせていただきます。漫画コーナー管理の手間をプロにおまかせして、すぐに始められるのがポイントです！