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TOP > スタッフブログ > 2022/02/14

ポンコツ刑事が相棒!? 『鴨乃橋ロンの禁断推理』で謎を解く!

「探偵」というとやはりシャーロック・ホームズを思い浮かべませんか? そのホームズには助手で語り部のワトソンがいます。今回ご紹介する『鴨乃橋ロンの禁断推理』でも構成が似ていて、2人で謎を解決するのがとっても楽しい物語です。

世界中の未解決事件がなくなる!?

探偵養成学校で圧倒的ナンバーワンとなり、彼が世に出れば未解決事件もなくなるのではないかとさえ期待されていた主人公・鴨乃橋ロン。本人もそれが責務だと感じていました。しかし5年後、ロンは何もない部屋であらゆる情報を絶って過ごしています。

そんなロンのもとに、警視庁捜査一課のお荷物である一色都々丸(通称トト)が崖っぷちの状態で訪れます。出てきたのはボサボサ頭の陰気な青年。過去の写真とは大違いのロンを見て、思わず人違いかと考えてしまったトト。

しかしトトがロンのもとへ来る際に神社に寄ったことや、おばあちゃんっ子であることもピタリと見抜かれて驚きます。もしかして彼は本当はすごい推理力の探偵なのでは……?

事件現場へ急行!

殺人事件や迷宮入りの事件などの情報が入ってこないように、テレビもネットもスマホもない生活をしてきたロン。しかし偶然トトのスマホに連続殺人事件の報告が入ります。するとロンは人が変わったように立ち上がり、いつでも出動できる状態になっていました。5年間、わけあって探偵業を封印させられてきたところに入ってきた情報は、ロンを目覚めさせるのに十分だったのです。

半信半疑でロンととともに現場へ急ぐトト。ロンは放置されている遺体に寄り添うように「きみの無念は晴らすからね」と呼びかけて、あらゆる証拠や思考から、犯人を導き出します。それからロンは、自分自身が探偵として表に出ずに、トトの手柄として事件を解決することを思いつくのでした。

魅力いっぱいの注目作!!

ロンが探偵業を封印させられたのは、5年前の謎の事件のためです。この事件は追々語られていきますので、ここでは本作の見どころをお話しましょう。何よりロンがカッコいいのは、不精なボサ髪なのに、謎が解けると指でサァっと前髪をとかして瞳が見えるようになるところです。めちゃめちゃカッコいいんですよ!

また、トトが謎を解いたと周囲に思わせられるように振る舞うところも面白い。ロンは探偵業をしてはいけないとされているため、探偵としての欲求を満たすにはトトはちょうどいい役割です。おかげでトトは「捜査一課のお荷物」から昇格し、「なんだか最近すごいらしい刑事」と呼ばれるように。こうしてよき相棒となった2人は事件を解決していきますが、謎の「M家」という存在が背後に見え隠れし始めます。

単行本のカバーをめくると、表紙でロンが寝ていた場所が見えるようになっているのも面白みがあっていいですね。4巻の帯では、ミステリ作家の有栖川有栖さんの推薦コメントも載っています。著名なミステリ作家さえ絶賛の本作、読まない手はありませんよ!

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