街を歩けば飲食店が建ち並び、コンビニやスーパーでは手軽に美味しい食事を24時間365日いつでも購入できる――それが日本という国。でも、そんな素晴らしい食事に飽き足らず、さらなる美食を求める男がいます。 それは、今回紹介する『鍋に弾丸を受けながら』(原作:青木潤太朗、作画:森山慎)の主人公であり原作者のジュンタロー(青木潤太朗先生)その人。 では、100点を超えるグルメはどこにあるのでしょうか。その答えは、まさかの危険地帯!? 本作は『コミックNewtype』で連載中のグルメエッセイ。連載開始早々、セレクトしたグルメや設定のインパクトなどが話題になり、「(良い意味で)頭おかしい」と一躍人気になった作品です。 究極のグルメは危険地帯にこそあり!危ないと言われる場所にほど美味しい食べ物がある。 そんな信念を元に、世界の危険地帯に存在するかもしれない5万点のグルメを求めて世界を旅するジュンタロー。ある時はかつてメキシカンマフィアが縄張りにしていた廃村で。またある時はシカゴのイタリア移民街で。またまたある時はブラジルのアマゾンで。 今日も今日とて、ジュンタローは日本ではあまり知られていないディープなグルメを堪能しまくります。 ご安心ください、全員二次元美少女です危険地帯というワードだけ聞けば、まるで命がけの冒険のように感じるかもしれません。ですが、ご安心ください。登場人物はジュンタロー含めて全員二次元美少女です。 というのも、彼は二次元の過剰摂取によって自分はおろか周囲すべての人間が美少女に見えてしまうという能力(?)を持っているのです。そう、例え銃を持った物騒な男たちであっても! 例えば、メキシコ旅行でガイド兼ボディーガードを務めた青年メンドーサ。本来は厳つい現地の青年といった出で立ちですが、作中だとキャップを被ったショートカットの美少女に描かれています。このように、ともすれば食よりも恐怖が上回りそうな緊張感のあるシーンでも、美少女だらけだからどこか“危険地帯にいる”という要素が薄れてコミカルな雰囲気になっているんですよね。 そのおかげで余計な要素を気にすることなく、物語のテーマである“食”に集中できるのは面白いと思います。この設定は賛否こそあるようですが、潔すぎて私は好きです。 作者の実体験を丁寧に落とし込んだ秀逸なグルメエッセイ「危険地帯のグルメは20点か5万点」と語るのは、ジュンタローの友人K。1話冒頭で語られたこの言葉は、本作を象徴するキーワードでもあります。 作中に登場する料理はかなり丁寧に描写されており、料理の説明・リアクション・感想がすっと頭に入ってくるんですよね。さすが本職が漫画原作者なだけあって、わかりやすく無駄のない構成だなと思います。もちろん料理が主役ではあるものの、釣りを通じて知り合った世界各地にいる友人や現地の人々との交流、その料理が生まれるに至った背景も全てひっくるめて、読み物として純粋におもしろいです。 コロナ禍が落ち着いて海外旅行に行くのも気兼ねすることがなくなった現在ですが、ハードルが高すぎて、私は多分一生行くことがないでしょう。ジュンタローが訪れた危険地帯にあるかもしれない5万点のグルメに思いを馳せつつ、まずは身近なグルメを楽しんでいきたいと思います。 それにしても、唯一無二の美食体験ができるジュンタローの胆力がとてもうらやましい! 『鍋に弾丸を受けながら』も店舗向け漫画リース「スマートコミック」でレンタル可能!店舗向けコミックレンタルサービス「スマートコミック」は、漫画コーナーを作りたいお店様へコミックの貸出・リースを行っています。 すべて料金内で付いてくる! 「スマートコミック」のうれしいポイント
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