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TOP > スタッフブログ > 2021/10/11

伝説のスナイパーが世界を駆ける! ギネス記録に輝く名作『ゴルゴ13』

みなさんは『ゴルゴ13』をご存知でしょうか?

孤高のスナイパー(暗殺者)、通称「ゴルゴ13」を主人公に据えたハードボイルド劇画で、連載は50年超え、単行本は200巻に到達。今年は“最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ”としてギネス世界記録に認定され、また作者のさいとう・たかを氏の死去が報じられるなど、なにかと話題になった作品でもあります。

そこで今回、タイトルは有名だけど意外に読んだことない長編漫画の筆頭かもしれない本作の魅力をご紹介できればと思います。

ファンを魅了する主人公の神ワザ!

大国の諜報機関すらその名前を聞いただけで震えあがる最強の暗殺者、ゴルゴ13。デューク東郷と名乗る時もありますが本名は不明。その他、国籍、出身地や生年月日、家族構成もすべて謎。高額報酬と引き替えにどれほど困難な依頼も成功させる真のプロフェッショナルです。

特に精密狙撃の腕前はゴルゴの代名詞とされ、

  • ビリヤードのように銃弾を反射させ、見えない位置にいる標的を射抜く
  • ビルから落下しながら室内の標的を射殺(ゴルゴはプールに着水して生還)
  • 飛行中のヘリから室内にある1枚のコインを撃ち抜く
  • 濃霧の中で飛んでいるレース鳩の足輪だけを破壊する
  • 時速200キロで打ち出されたアイスホッケーのシュートに、氷の弾丸を当てて軌道を変えさせる

こんな不可能とも思えるスーパーショットを作中で数多く成功させています。遠くからの狙撃だけでなく中距離での打ち合い、近距離での格闘戦、すべての戦闘スキルが超一流。

世界各国の言語をマスターし、任務に必要な書類は一瞬見ただけで暗記できる頭脳。鍛え抜かれた肉体と全身から漂うオトコの魅力で女性たちは彼の虜に。さらに捕らえられて拷問を受けても屈しない、鋼鉄の肉体と精神力まで備えています。

映画や漫画のヒーロー10人分の強さを1人に詰め込んだような設定ですが、そこは作者の技量が素晴らしいのでしょう。まったく荒唐無稽な感じは受けず、「これでこそゴルゴだ」と喝采を送りたくなります!

ビジネスにも役立つ、ゴルゴ流のプロ意識

本作はその時々の国際情勢をリアルに描写しているため、ビジネスマンや政治家など広く愛読者がいます。記者の前でマニアックなゴルゴ談義を始めたら止まらない、某大臣なんかが有名ですね。

緻密に取材された世界情勢だけでもビジネスの役に立つのですが、もう一つ「徹底したプロフェッショナル意識」もビジネスパーソンがゴルゴから学ぶべきだと思います。

国家の運命を左右する狙撃から、個人的な復讐まであらゆる依頼を受けるゴルゴですが、何でもOKというわけでもありません。彼を究極のプロと言わしめるのは、「自分の仕事ルールを変えない」という点なのです。

ルールの例をいくつか挙げますと、

  • 他人を背後に立たせない
  • 握手しない(利き腕を他人にあずけない)
  • 報酬は前払い
  • 同じターゲットに対して二重の依頼は受けない
  • 依頼者とは二度会わない
  • 嘘をついた依頼者は必ず殺す

たまには融通をきかせたほうが楽に仕事できるんじゃないの?と私たち一般人は思ってしまうところですが、ゴルゴはそう考えません。この絶対にルールを曲げない仕事スタイルこそが依頼者に信頼感を与え、どんな難関ミッションをも成功に導く原動力になるのですね。

作者自身は「ゴルゴみたいな生き方は絶対無理」と断言していますが、できる範囲でそのプロ意識を参考にする程度なら可能なはず。仕事のやり方、心構えについて悩んでいる時などは、本作を読めばなにかヒントがつかめるかもしれませんね。

読まず嫌いはもったいない超オススメ作品!

『ゴルゴ13』の魅力はここで語りきれないほどあるのですが、それでもとっつきにくさを感じている人は少なくないでしょう。

セリフの量が多くて話は複雑、バイオレンスも濡れ場も満載、現代人にはなじみの薄い劇画調の絵柄……。恥ずかしながら私も大学時代、ゼミの教授が本作を愛読していたのですが「こんなのどこが楽しいんだろうか?」と思っていました。

しかし一度読んでみれば、抜け出せないほどハマりますね。プロフェッショナルを題材にした漫画は他にも多くありますが、これほど心にドスンと響く作品は本当に貴重です。

「200巻を超えてるから追いつくのが大変そう」と思っている人は、ご心配なく。基本的に1つのエピソードは1話~数話の短いスパンで終わるように構成されており、再登場するキャラクターも少ないため、どこから読み始めても大丈夫です。

なお、作者のさいとう・たかを氏の訃報が先日ニュースで伝えられましたが、『ゴルゴ13』は今後もプロダクションのスタッフによって連載継続するとのことです。

ケネディ大統領暗殺の時代から現役スナイパーだったゴルゴは、リアル時間とともに年齢を重ねていれば今は80歳(!)前後になっていてもおかしくないはず。ですが作中では容姿、能力とも衰えた気配は見えません。

まだまだ伝説を打ち立てていくであろう孤高の、そして至高のスナイパー物語。ぜひ手近にある単行本から自由に手にとって読んでみていただきたいです!

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