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私たちが働くうえで求める条件は、毎月の給料の他にも、労働時間や福利厚生などさまざまあります。何を重視するかは、それぞれの考え方次第です。しかし、優先順位を決めておかないと、後で大変なことになるのは言うまでもありません。
実際、中途採用に関するさまざまな調査でも、入社後に「こんなはずじゃなかったと感じる」と答える人は多いという結果が出ています。
ただ、こうした労働関係のトラブルは対処法を知っているかどうかで、得られる成果も大きく違います。そこで紹介したいのが、外本ケンセイ先生の『さよならブラック企業～ヒーロー弁護士如月樹の本懐～』です。
社内トラブルに立ち向かう労働者の物語
本作は、以前にレビュー掲載した『さよならブラック企業 働く人の最後の砦「退職代行」』で司法試験に合格した、水城リコのその後を描いています。
続編となる『さよならブラック企業～ヒーロー弁護士如月樹の本懐～』のテーマは、自身の立場を振りかざして労働者を追い込むブラック企業と弁護士の戦いです。
労働問題専門のきさらぎ法律事務所を舞台に、特撮オタクの型破りな弁護士の如月樹と主人公の水城リコが、法律を武器にブラック企業へ立ち向かう過程とその戦いの記録が描かれています。
『さよならブラック企業～ヒーロー弁護士如月樹の本懐～』を読んでもらいたい2つの理由
【1】よく起こる労働問題についてわかりやすく描かれている
作品内で取り上げられている主な労働問題には、下記があります。
・パワハラ
・不正行為の強要
・偽装請負
・社内いじめ など
これらの労働問題は、ただ我慢するだけでは解決しません。それどころか我慢することで、うつ病やストレス性で起こるさまざまな病気を引き起こすリスクがあるのです。
心身の健康を阻害されないために、私たちが取るべき選択肢について詳しく描かれています。
【2】 選択肢は無限にあることを示してくれる
『さよならブラック企業』には、2作品あります。
・『働く人の最後の砦「退職代行」』
・『～ヒーロー弁護士如月樹の本懐～』
この両作に共通したメッセージが「選択肢は無限にある」「可能性は無限大」というフレーズです。
”見渡してみれば
寄り添ってくれる人
手を差し伸べてくれる人は
必ずいる
助けを求める事は
恥ずべき事ではないし
逃げなんかじゃない
ずっと一本道だと
思っていた道も
よく見てみれば
たくさん枝分かれしている事に
気づくはず
そう
可能性は無限大なのだから”
（第2巻・最終話より引用）
よく考えてみればさまざまな方向に道が見えていても、実際に被害に遭っているときは別の選択肢を見失っているというケースはよくあります。
皆さんの中にも、似たような経験をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
働くうえで迷い道に入ったときに読むと、勇気がもらえるはずです。
仕事を考え直すきっかけになるマンガ
仕事をする中で、上司によるモラハラなどの各種ハラスメントを受ける、社内で同期や先輩などから嫌がらせをされた際、そのことを訴えても、実際には立場の強い人が守られ、弱い人は置き去りにされることも多くあります。
そのような状況を少なくするために、労働問題専門の弁護士がいるわけですが、なかなかその仕事を知る機会は少ないでしょう。
取り扱われている問題も身近なテーマが多く、参考になる作品です。自身に当てはめて、仕事環境を見直したい人にもおすすめします。
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