「『好きなものは好き！』と言える気持ち 抱きしめてたい」と歌っていたのは、槇原敬之さんの名曲「どんなときも」でした。 好きなものを「好き」と言い続けるのは、ときに難しいもの。だからこそ、好きなものを好きでいられる時間は、もしかしたらとても尊いのかもしれません。 今回ご紹介するのは、編み物や手芸を愛する気持ちを貫く男子高校生たちのドラマ『ニッターズハイ！』です。 編み物の楽しさに目覚めていく男子高生・健斗中学時代に陸上選手としてならすも、怪我で走ることから距離を置いてしまった浜仲健斗。高校に入学した彼は、“編み物王子”こと黒葉類とともに先輩から手芸部に勧誘されます。 当初は手芸部入部を渋るも、成り行きで類に編み物を教わることになった健斗。毛糸と編み棒を手にして基本の表編みからチャレンジしていきます。 最初や編み棒を動かす手もぎこちなく悪戦苦闘していた健斗でしたが、いつしか編むことに夢中になっていきます。 編み物の楽しさに目覚めた健斗は、やがて、類とともに手芸部に入部。コスプレ好きな部長の金子天馬、刺繍やお菓子作りが得意な副部長の織武蓮ら仲間とともに、作品作りに熱中していくのです。 好きなものを諦めないことの大切さとは当初、手芸部に勧誘された際に健斗が口にした言葉は、「男が手芸なんて、変だし」。 令和の時代になって多様性が広がりつつある一方、いまだに従来の「男らしさ」「女らしさ」のような価値観が存在している現代。手芸が好きな男子に対して健斗のような反応をする人はおそらくまだいることでしょう。本作の中にも、周りの人の反応を恐れてか編み物が好きなことを隠そうとする男性キャラクターが登場しています。 とはいえ、本作はもちろんそうした考えにとどまりません。男性が手芸をすることを笑った健斗に対して、編み物を愛する類は「男が手芸したら、どこがどう変なんだよ」と真っ向から反論。類の言葉を受けて反省した健斗は、結局類に教わりながら編み物の楽しさを知っていきます。それをきっかけに二人の間に友情が芽生えて、手芸部の部員たちとともに創作にいそしみながら楽しいことがどんどん増えていくのです。 好きなことを貫くのは、ときに難しいといえます。でも、周りの偏見に負けず「好き」を大切にしていくことで得られる幸せ、充実感がきっとあるはず。本作は、健斗をはじめとする手芸部員たちを通して、好きなものを諦めないことの大切さを教えてくれる物語であると感じます。 なお、筆者の印象では、好きなものは好き！の精神が特に強いのは、手芸部部長の天馬。コスプレ好きを大声で宣言して、引いている相手を見て「オレが付き合うべきでない人間」とカラッと言い切ってしまいます。彼のような強さを持てたらいいな……と、ちょっと憧れてしまいました。 知っているようで知らない？ 編み物の奥深さを学べる物語ここを見ている中に編み物ができる！得意！という方はどれくらいいるでしょうか？ 編み物はお裁縫のように学校で教わるわけではないので、やったことのない人も多いのではと思います。 『ニッターズハイ！』は、健斗や類の姿を通して編み物に親しめるのも魅力の一つ。基本的な編み方に始まり、マフラーやベストの作り方、よりデザイン性が広がるアラン編みなど、様々な編み物の技法、奥深さに触れることができます。 なお、コミックスの中には、巻末に実際に使える編み図が入った巻もあります。劇中で健斗が編んだのと同じ作品が作ることができるので、読んでみて編み物に興味がわいたら、チャレンジしてみるのもよさそうです！ 『ニッターズハイ！』も店舗向け漫画リース「スマートコミック」でレンタル可能！店舗向けコミックレンタルサービス「スマートコミック」は、漫画コーナーを作りたいお店様へコミックの貸出・リースを行っています。 すべて料金内で付いてくる！ 「スマートコミック」のうれしいポイント
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